最終更新日:2011年10月31日

房総半島沖でプレート境界面のゆっくり滑り(スロースリップ)現象を検出

発表日時:2011年10月31日(月)16時00分

 

房総半島沖でのスロースリップは約4年2ヶ月ぶり

概要

 房総半島の電子基準点観測データに、平成23年10月下旬以降、通常とは異なる地殻変動(非定常地殻変動)があることが検出されました。検出された非定常地殻変動は大きいところでも約2cmです。
 この変動の原因となっているのは、房総半島沖のフィリピン海プレートと陸側のプレートの境界面で発生している「ゆっくり滑り(スロースリップ)現象」であると推定されます。検出された非定常地殻変動からプレート境界面上の滑りを計算したところ、房総半島沖で最大約6cmの滑りが推定されました。今回のゆっくり滑りは継続中と見られます。なお、この境界面は、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震を引き起こした太平洋プレートと陸側のプレートとの境界面とは別のものです。
 房総半島沖では、1996年5月、2002年10月、2007年8月に、同じような場所でゆっくり滑り現象が発生しており、今回は約4年2ヶ月ぶりとなります。過去3回のゆっくり滑りでは、房総半島を中心とした領域で非定常地殻変動が約10日間観測されました。ゆっくり滑りの発生間隔はこれまでそれぞれ77ヶ月、58ヶ月でしたが、今回は50ヶ月とこれまでで最短となりました。

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