空中写真などの被災状況をあらわす情報について

国土地理院では災害時において、被災状況を正確かつ迅速に収集・把握することを目的に、発災直後に「緊急撮影」を実施しています。
緊急撮影では、航空カメラを用いて行う空中写真撮影のほか、被災地上空が雲に覆われている場合など直下の撮影ができない場合にはデジタル一眼レフカメラによる斜め写真撮影を実施しています。

「緊急撮影」について

空中写真撮影~簡易オルソ画像の作成

被災地域の緊急撮影後、空中写真から簡易な方法でオルソ画像を迅速に作成し、「地理院地図」上で公開しています。
災害時に撮影した空中写真には、広域にわたり被災状況などのさまざまな情報が記録されています。空中写真をオルソ画像にすることで、複数の地図データなどと重ね合わせができるようになりますので、さまざまな解析が可能となります。得られる災害の状況は、地理空間情報としてとらえることが可能となり、各機関よる様々な災害対応や復旧・復興対策などに用いることができる資料になります。
被災地域の緊急撮影とオルソ画像の作成

斜め写真撮影

被災地域に雲が多く、航空カメラによる直下の空中写真撮影ができない場合においては、デジタル一眼レフカメラによる斜め写真撮影を実施しています。斜め写真の撮影は、航空機が雲の下に進入できる場合があるなど、機動的な運用が可能なため、快晴時にあらかじめ定められたコースを飛行する垂直写真撮影と比べて、撮影機会を得ることができる場合が多く、災害時における迅速な被災状況調査を行うことが可能です。
また、火山噴火時は危険なため航空機は近づけませんので、災害状況を調査する方法として、斜め写真撮影を実施しています。
被災地域を上空から俯瞰した斜め写真は航空カメラによる空中写真にくらべて、立体感が得られやすいことから、被災地域の現状をわかりやすく把握することができます。
斜め写真の緊急撮影の概要