測量に関するミニ知識

特殊な形状の電子基準点(平成27年3月31日作成)

このページでは、設置された環境にあわせて様々な工夫がしてある電子基準点をご紹介します。

021100 富士山

021100 富士山

平成25年6月に世界文化遺産に登録された標高3776mの富士山。この山頂にも電子基準点が設置されています。
山頂での強風に耐えられるようにと、ピラーは一般的な電子基準点よりも太くて短い構造となっています。
また、景観に配慮し、レドーム、ピラーともに茶色に塗装してあります。

021099 乗鞍岳

021099 乗鞍岳

乗鞍岳中腹(標高約2778m)に設置されている電子基準点です。
ピラーの横にある太陽光パネルから電力供給を受け、稼動しています。積雪の影響を考慮し、太陽光パネルは高い位置に設置されていますが、それでも厳冬期はパネルへの着雪により電力不足になります。このため、積雪状況をモニターしたり、大容量の鉛バッテリーに加え、燃料電池を採用したりするなど、安定した観測を実現するため、さまざまな工夫がなされています。

051140 沖ノ鳥島

051140 沖ノ鳥島

東京から約1700km、東京都小笠原村に属する日本最南端、沖ノ鳥島に設置されている電子基準点です。
この電子基準点は波浪に耐えられるよう腐食に強いチタンで作られ、最も高い部分でも50cmしかありません。
中央の白い円形部分にGNSSアンテナがあり、アンテナ周囲の太陽光パネルで発電を行っています。
観測データは衛星携帯電話で国土地理院へ送信されています。


国土地理院は電子基準点を利用した効率的な2級基準点設置のためのマニュアル整備(※1)や、GPS衛星だけでなく、我が国の準天頂衛星やロシアのグロナス衛星などを利用できるようにする(※2)などの取り組みを進めています。

※1 スマート・サーベイ・プロジェクト(SSP)、始動
※2 平成25年度より全国で電子基準点を用いた準天頂衛星やグロナスによる測量が可能に