測量に関するミニ知識

電子基準点の設置密度(平成27年3月31日作成)

電子基準点の点数について

電子基準点 御前崎A

国土地理院は、高密度で高精度な測量網の構築と地殻変動の監視を目的として、電子基準点約1300点からなるGEONETを運用しています。当初は約1200点による運用で、この数字は、平成9年8月に政府の地震調査研究推進本部が公表した「地震に関する基盤的調査観測計画」の中で「20~25km程度の間隔で全国的にGPS連続観測施設を設置することが適当と考えられる。(抜粋)」とされたことを踏まえ、国土約38万平方キロメートルに対し20km間隔で設置すると、約1200点になるというところからきており、現在では1300点以上の電子基準点が稼働しています。

電子基準点の設置密度について

電子基準点配点図(中部)

中部地方測量部管内の電子基準点配点図

これは、中部地方測量部管内の電子基準点の配点図です。
静岡県を中心とした地域で、電子基準点の密度がかなり高くなっていることにお気づきですか?これは、いわゆる東海地震の予知の可能性があるとされたことで、観測を強化してきたためです。

中部地方測量部管内の電子基準点配点図の拡大版はこちら

電子基準点の設置密度ランキング(平成25年5月現在)

最も高密度に電子基準点が設置されている都道府県はどこかご存じでしょうか?答えは、東京都(平均点間距離約10km)です。その理由は、伊豆諸島のような火山群島や小笠原諸島のような国土・領海の外縁を規定する島が数多く存在し、それらの小さな島にもかなりの割合で電子基準点が設置されているためです。同様の理由から2位は沖縄県(約11km)です。そして、3位が静岡県(約12km)です。つまり、島嶼の影響を除けば静岡県は堂々第1位です! ちなみに、愛知県は11位(約16km)、三重県は14位(約16km)、岐阜県は32位(約20km)となっています。なお、岐阜県は32位ですが、地震調査研究本部による20~25km程度という条件は満たしています。

  電子基準点数 間隔 全国順位 一等三角点数
岐阜県 31 約20km 32 17
静岡県 67 約12km 18
愛知県 25 約16km 11
三重県 27 約16km 14 11





 


国土地理院は電子基準点を利用した効率的な2級基準点設置のためのマニュアル整備(※1)や、GPS衛星だけでなく、我が国の準天頂衛星やロシアのグロナス衛星などを利用できるようにする(※2)などの取り組みを進めています。

※1 スマート・サーベイ・プロジェクト(SSP)、始動
※2 平成25年度より全国で電子基準点を用いた準天頂衛星やグロナスによる測量が可能に