測量に関するミニ知識

第8回 土地の高さ(標高)について2

今回のこのコーナーでは、前回に引き続き、土地の高さについて取り上げます。
前回の記事については、測量に関するミニ知識第7回をご覧ください。

東京湾平均海面

量水標による観測

日本の土地の高さの基準である東京湾平均海面はどのように決められたのでしょうか?

海面は、月や太陽の動き、風、気圧および海流の変化などによって絶えず変化していますが、長い年月連続して観測し平均すると一定の高さを示します。これを平均海面といいます。
最初に東京湾平均海面を決めるために観測が行われたのは、明治6年から明治12年までの間です。東京湾の霊岸島に設けられた量水標(海面の高さを測るものさし)で、干満時の海面の高さを観測し、その約7年間の結果を平均して求めた海面を東京湾平均海面として、日本の土地の高さの基準としました。

験潮

験潮場の構造図
地面(地盤)からみた海面の高さを測ることを験潮といいます。日本の験潮は量水標で海面の高さを読みとることからスタートしました。
現在、国土地理院では、全国25か所に験潮場を設置し、験潮を行っています。
験潮場の構造は右図のようになっていて、導水管を通って井戸に出入りする海水の昇降を、験潮儀から井戸の中に吊した浮標の上下動でとらえて記録しています。
長い期間連続観測して蓄積した験潮のデータは、土地の高さの基準を決めることのほか、地殻変動の監視、津波の検出など、防災に重要な役割を果たしています。

日本水準原点

日本水準原点(東京都千代田区永田町 憲政記念館 公園内)

東京湾平均海面に基づく高さの基準点として、明治24年5月に日本水準原点が設置され、ここを基点に高さの測量(水準測量)が実施されてきました。
日本水準原点の水晶目盛の0目盛の高さは設置当時24.5000mでしたが、大正12年の関東大震災で大きな地殻変動があり、24.4140mに変更され、その後、東北地方太平洋沖地震に伴い、現在の高さである24.3900mとなっています。
(水晶目盛は建物の内部に設置されているため、通常は見ることはできません。)

現在では、神奈川県三浦市にある油壺験潮場から定期的に水準測量を実施し、日本水準原点の高さを点検しています。