文字サイズ変更

  • 標準
  • 拡大
地理院ホーム  > 中部地方測量部  > 中部地方測量部メールニュース  > 測量に関するミニ知識  

測量に関するミニ知識

第6回 標石基準点について(その3)

 国土地理院では、測量法(昭和24年法律第188号)で規定する測量標(永久標識)を設置し維持管理しています。今回は、三角点の構造(柱石・盤石)について紹介します。
 三角点は、地球上の位置(緯度、経度、標高)が正確に求められており、あらゆる測量の基準として、地図作成、地籍調査、道路建設・ダム建設等の各種公共事業等で使用されています。その数は、全国に約109,000点で一等、二等、三等、四等三角点と4種類に分類されます。一等~三等三角点は、そのほとんどが明治時代に設置され100年以上にわたり地図作成・測量の基準として利用されてきました。また、四等三角点は、現在でも市町村等が国土調査(地籍調査)を実施するために必要な基準点として設置しています。
 三角点の成果値である緯度・経度(座標値)は、柱石頭部「+」の刻字の中心位置、標高は柱石頭部の上面です。
 
 みなさんは三角点(標石)を見たことがありますか。山の頂付近、公園、グラウンドの片隅等に、頭部が四角形の花崗岩(御影石)の柱石と、その柱石をとり囲むように玉石4個が保護のため置かれています。設置場所に応じて、コンクリートで上面舗装、マンホール型の鉄蓋を設置することもあります。
 また、三角点の脇には「三角点」と書かれた白色の標示杭が打たれていますので、見つけることは容易かと思います。
四等三角点(標石)及び標示杭

四等三角点(標石)及び標示杭

 さて、この三角点、実は目に見えている柱石だけから成っているわけではありません。柱石の下には、もう一つ重要なパーツである盤石があって、これらで三角点は構成されているのです。ここでは、四等三角点(御影石)を例に三角点の構造を紹介しましょう。
 ところで、三角点の構造を理解するには、その重要なパーツである柱石と盤石のプロフィール、そして、三角点の設置手順を知ることが一番です。

柱石と盤石のプロフィール

「柱石」 材質 花崗岩(御影石:主として香川県小豆島産)
  重さ 約40kg
  長さ 約63cm(縦15cm×横15cm)
  柱石の中心 柱石上面にある「+」の刻字
  北面「6ケタの標石番号」、南面「四等三角点」、東面「基本」、西面「国地院」と刻字
   
「盤石」 材質 花崗岩(御影石:主として香川県小豆島産)
  重さ 約20kg
  長さ(厚み) 約9cm(縦30cm×横30cm)
  盤石の中心 盤石上面にある「+」の刻字

三角点の設置手順

(1)穴を掘る。
(2)盤石を東西南北の方向に合わせ水平に設置する。
(3)タルキ等で鳥居を組み、垂球(下げ振り)を盤石中心に合わせる。(図1参照)
(4)柱石を四等三角点と刻字している面を南側に向け水平に設置し、盤石中心と一致させる。(図2参照)
(5)盤石上面から柱石上面までの距離を測定する(柱石長の測定)。
  図1 タルキ等で鳥居を組み、垂球(下げ振り)を盤石中心に合わせる 図2 柱石を四等三角点と刻字している面を南側に向け水平に設置し、盤石中心と一致させる
  図1 図2

三角点の構造のポイント!

 柱石(頭部)の中心「+」と盤石(上面)の中心「+」は、同一鉛直線上に一致していること。このことにより、柱石が無くなったり破損した場合でも、盤石が正常であれば再測量(観測)を行わずして簡単に三角点を復旧(復元)させることができます。
 三角点は、常に「正常」な状態で維持していかなければなりません。しかしながら、経年変化や自然災害等により柱石が露出、傾斜したり、場合によっては柱石が無くなってしまうこともあります。このような場合は、測量の基準(点)として利用できないため、国土地理院にて「正常」な状態に復旧させます。
 

国土地理院における基準点の維持管理(「正常」な状態に復旧させる)の一例を紹介します

 問題となる三角点を次のものとしましょう。
 
柱石が露出し傾いた状態 四等三角点 ○○○公園
【 成果値 】
  緯度 35度21分41.4811秒
  経度136度36分54.0105秒
  標高5.79m
柱石が露出し傾いた状態
 
 
 公共測量を実施している測量業者の技術者が、「三角点の記」にて現地調査したところ「柱石が 露出して傾いている」との情報を国土地理院に寄せてきました。
 国土地理院では、盤石が正常であれば、柱石補充、柱石交換、傾斜改埋、低下改埋、高上改埋の区分(手法)の中から最も適した作業手法により「正常」な状態に復旧させます。
 測量業者からの情報を受けて国土地理院の担当者が現地に行き、三角点の状況について確認作業をしたところ、盤石は正常でしたが、柱石の半分(30cm)が露出して傾き、また柱石頭部が欠けていることが分かりました。そこで、新しい柱石に交換のうえ同位置に低下させ「正常」な状態として復旧させることとなりました。つまり、土をもっと掘り込んで盤石をより低い位置にもっていき、そして新しい柱石を設置するのです。作業としては、先にご紹介した設置手順と類似のことを行います。
 この作業にて成果値の緯度(X座標)、緯度(Y座標)に変更はありませんが、標高は変更となります。
 そこで問題です。
 解答にあたっては図を描くと良いでしょう。また、計算時は符号(+、-)に注意しましょう。
 
〘問題〙 四等三角点 ○○○公園(標高5.79m)の柱石交換及び低下改埋後の新しい標高値はいくつですか。次の(1)~(5)の中から選びなさい。
ただし、柱石長、改埋(低下)量は、下記のとおりです。

 旧柱石長    0.64m(傾いている柱石の柱石長)
 新柱石長    0.63m(新しい柱石の柱石長)
 盤石の変化量  0.35m(低下改埋量)

  (1)5.15m(2)5.16m(3)5.43m(4)5.44m(5)5.78m



 
〘答〙 (3)5.43m

 計算式:新標高値 = 旧標高値-旧柱石長-盤石変化量+新柱石長
          = 5.79m-0.64m-0.35m+0.63m

 下の図も参考にしてみてください。
   

説明図
 最後になりますが、国土地理院ホームページの『基準点成果等閲覧サービス』を紹介しましょう。このサイトでは、基本基準点、公共基準点が検索できます。「成果状態」、「現況状態」等の各種情報が閲覧ができますのでご利用ください。なお、「三角点の記」「現況写真(遠景・近景)」の閲覧には、ログインIDとパスワードが必要となります。
 ▼基準点成果等閲覧サービスはこちら
  http://sokuseikagis1.gsi.go.jp/

ページトップへ