測量に関するミニ知識
中部地方測量部
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第18回 地図の豆知識地図はどの向きを基準に作られているの?国土地理院が作成する2万5千分1地形図をはじめ、世界各国が作っている地図のほとんどは、北を上にして作られています。しかし、稀に南を上にして作られている場合があります。例えば、国内では、平成22年に佐渡市から刊行された「東アジア交流地図」(図1)があります。「環境にやさしい歴史と文化の島」として、観光や自然保護などで東アジア諸国との交流に視点をおいて作られたものです。
地図に表す「北」の向きは3種類ある!地図に表す「北」の向きには、「真北」、「方眼北」、「磁北」の3種類があります(図2)。「真北」は地理学などで使う北の向きで、2万5千分1地形図など経緯度で区切られた地図は、「真北」を上にしています。縮尺の大きな都市計画基図などで用いられている平面直角座標系では、子午線(地理学的な南北の方向)は,座標系の原点を通るところでは上下の直線になりますが,それより東(西)では「真北」はやや西(東)を向くことになります。そのため、これらの地図での上向き(「方眼北」)は「真北」より少しずれています。一方、「磁北」は文字通り方位磁石が示す北の向きですが、それは時間や場所によって異なっています。この向きを上にする地図は一般的にはありませんが、「磁北」の「真北」からのずれ角を西偏○° ○′ と数値で記載したり(図3)、地図上に磁北線などを明示すること(図4)があります。
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