最終更新日:2005年3月17日

新潟県中越地方芋川流域の雪崩に関するハザードマップ基礎情報

研究内容

はじめに

今冬(2004年12月~2005年2月)は、豪雪に加えて雪崩を発生させやすい条件(具体的には中越地震で生じた地すべり、斜面崩壊にともなう植生の裸地化)が増したため、雪崩に関する基礎情報を整理することは重要です。そこで、本研究では、被災地の今後の諸対策に資するため、標記の基礎情報として、雪崩の発生条件分級加点図雪崩の発生条件地形分類図を試作しました。【説明文】
雪崩の発生条件分級加点図 本図の分類は、積雪深・傾斜・土地被覆・雪崩地形を、凡例に示す区分で得点化し、GIS技術を用いて場所毎に加点方式で評価したものです。
留意事項

本図は、雪崩の発生域となる可能性を示したもので、実際に雪崩が生じた場合の到達範囲は示していません。

積雪深を算出するために用いた無積雪期の標高データには建物の高さが含まれておらず、建物の高さ分だけ過剰に積雪深を算出 している箇所(緑色の○で囲んだ箇所など)があり、雪崩の発生条件を過大に評価している可能性があります。

積雪深のデータは2月18日時点のものであり、それ以後の降雪量は考慮していません。
雪崩の発生条件分級加点図1 雪崩の発生条件分級加点図2 雪崩の発生条件分級加点図3 雪崩の発生条件分級加点図4 雪崩の発生条件分級加点図5 雪崩の発生条件分級加点図6 雪崩の発生条件分級加点図7 雪崩の発生条件分級加点図 凡例
雪崩の発生条件地形分類図 【凡例】
【説明】

次に示す特徴に基づいて雪崩の発生可能性のある斜面を抽出した。(l)最大積雪深の平均が概ね2m以上の斜面
(2)主に山地で傾斜勾配が35~50°の斜面
(3)空中写真で針先で引っ掻いたような筋状地形が見られる斜面
(4)地表が露岩や草地・低灌木で高木などに乏しい植生の斜面
これらの斜面では、融雪期に次に示す現象が生じる可能性がある。

(a)雪崩によって斜面が浸食され土砂が供給される。
(b)雪崩に伴って斜面崩壊が生じる。
(c)融雪水が地下水となって地すべりの滑り面に供給され地すべりが再滑動する。
(d)地震時の末崩落の崩壊地や亀裂による不安定な斜面等が融雪に伴って新たに崩落する.
 
雪崩の発生条件地形分類図1 雪崩の発生条件地形分類図2 雪崩の発生条件地形分類図3 雪崩の発生条件地形分類図4 雪崩の発生条件地形分類図5 雪崩の発生条件地形分類図6 雪崩の発生条件地形分類図7
雪崩が発生する可能性1 雪崩が発生する可能性2 雪崩が発生する可能性3 雪崩が発生する可能性4
(1)大量の積雪 (2)急傾斜 (3)植生等の支えなし (4) 雪崩地形
図1. 雪崩の発生しやすい条件
雪崩地形のみられる斜面 空中写真でみる雪崩地形
雪崩地形のみられる斜面
Sekiguch and Sugiyama (2003)
空中写真でみる雪崩地形
Sekiguchi and Sugiyama (2003)
図2.雪崩地形
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