能代・三方・出水断層帯の活断層図を公開

発表日時:平成24年10月31日(水)14時00分

-新たな活断層の発見など、最新の知見により活断層の詳細な位置を表示-

  国土地理院は、都市圏活断層図(能代断層帯とその周辺)「能代」「森岳」、(三方断層帯とその周辺)「三方」、(出水断層帯とその周辺)「出水」の4面を11月1日に公開します。(資料1) 
  都市圏活断層図は、空中写真の判読等によって活断層を抽出し、詳細な位置や断層のずれの方向などを2万5千分1地形図上にまとめたもので、今回の公開により作成面数は全国で156面となります。
地域防災計画の策定やハザードマップ作成など、国、地方公共団体が実施する防災・減災対策や地域の適正な開発・保全などの基礎資料として活用されることが期待されます。

今回の調査で得られたこと

1.能代断層帯とその周辺「能代」「森岳」

  これらの地図には、八森(はちもり)断層(約15.5km)、高野野(こうやの)断層(約4.0km)、畑谷(はたや)断層(約8.5km)、大槻野(おおつきの)断層(約3.0km)、能代(のしろ)断層(約20.0km)、盤(いわお)断層(約3.5km)、小手萩(こてはぎ)断層(約8.5km)、久喜沢(くきさわ)断層(約2.5km)、鵜川(うかわ)断層(約8.0 km)、志戸橋(しとばし)断層(約8.0km)、横長根(よこながね)断層(約7.5km)、鹿渡(かど)断層(約9.0km)、中村(なかむら)断層(約9.5km)、五城目(ごじょうめ)断層(約4.0km)、その他の活断層・推定活断層が表示されています。
(注:断層の長さは本図に表示されている範囲です)
このうち、大槻野断層、久喜沢断層、横長根断層、鵜川断層、志戸橋断層、鹿渡断層、五城目断層は今回の調査で新たに活断層と認められました。
   また、今回の調査結果から能代断層帯は、秋田県八峰町から同県五城目町まで南北に約50kmの断層帯であることがわかりました。

   (1)大槻野断層は、八峰町岩子から八峰町大信田まで延びた西側下がりの縦ずれ断層で、北西側には東側下がりの活断層と活撓曲が並行しています。(資料2 ①
   (2)久喜沢断層は、八峰町大野から能代市国見まで延びた西側下がりの活撓曲です。(資料2 ①
   (3)横長根断層は、三種町相染から三種町牡丹まで延びた西側下がりの縦ずれ断層で、活撓曲を伴う箇所もあります。東側には活褶曲と東下がりの縦ずれ断層が並行しています。(資料2 ②
   (4)鵜川断層は、能代市柏子所(かしこどころ)から三種町鵜の巣まで延びた東側下がりの縦ずれ断層で、活撓曲を伴う箇所もあります。(資料3
   (5)志戸橋断層は、能代市四ッ屋から三種町豊岡まで延びた西側下がりの縦ずれ断層で、活撓曲を伴う箇所もあります。東側には活褶曲と東下がりの縦ずれ断層が並行しています。(資料3
   (6)鹿渡断層は、三種町林崎から三種町山谷まで延びた西側下がりの縦ずれ断層で、活撓曲を伴う箇所もあります。(資料4 ①
   (7)五城目断層は、五城目町鐙沢から五城目町原嶋まで延びており、西側下がりの活撓曲を伴う箇所もあります。(資料4 ②
   (8)中村断層は、三種町豊岡から三種町山谷まで延びた西側下がりの縦ずれ断層で、活撓曲を伴う箇所もあります。従来の知見より北端約2km、南端約3km程度長いことがわかりました。(資料4 ①

2.三方断層帯とその周辺「三方」

  この地図には、白木-丹生(しらき-にゅう)断層(約1.5km)、野坂(のさか)断層(約1.5km)、松屋(まつや)断層(約10.5km)、耳川(みみがわ)断層(約8.5km)、三方(みかた)断層(約12.0km)、その他の活断層・推定活断層が表示されています。
(注:断層の長さは本図に表示されている範囲です)

   (1)白木-丹生断層は、敦賀市白木一丁目から美浜町丹生まで延びた西側下がりの縦ずれ断層で、南半分は、今回の調査では新しい活動の痕跡が認められなかったことから推定活断層としています。(資料5①
   (2)野坂断層は、平成17年に公開している「敦賀」の図から続く左横ずれ断層で、美浜町けやき台付近で3本に分かれて雁行しており、そのうち南側の2本は今回の調査で新たに認められました。(資料5 ②
   (3)松屋断層は、美浜町門前から美浜町松屋まで延びた西側下がりの縦ずれ断層で、美浜町太田付近や奥付近に変位地形が見られます。(資料5 ② 資料6
   (4)耳川断層は、美浜町興道寺から美浜町松屋まで延びる西側下がりの縦ずれ断層で、美浜町岸名付近の段丘面に東側へ低下する傾動も見られます。(資料6
   (5)三方断層は、平成17年に公開している「熊川」の図から続く西側下がりの縦ずれ断層で、美浜町久々子まで延びています。(資料6

3.出水断層帯とその周辺「出水」

   この地図には、矢筈峠(やはずとうげ)断層(約3.0km)、君名川(きみながわ)断層(約10.5km)、内木場(うちこば)断層(約10.0km)、その他の活断層・推定活断層が表示されています。
(注:断層の長さは本図に表示されている範囲です)
これらの断層は以前からその存在は知られていましたが、今回の調査で詳細な位置がわかりました。

   (1)矢筈峠断層は、水俣市招川内(まんぱ)から出水市芭蕉まで延びた断層で北東側は雁行しています。(資料7
   (2)君名川断層は、出水市芭蕉から出水市栗毛野まで延びた右横ずれ断層で、系統的な河谷の屈曲がみられます。(資料7
   (3)内木場断層は、出水市宇都野々から阿久根市鶴川内まで延びた右横ずれ断層で、系統的な河谷の屈曲がみられます。(資料8


※印の用語は(資料9)を参照

添付資料

  資料1 都市圏活断層図作成位置図
  資料2 都市圏活断層図「能代」「森岳」の一部
  資料3 都市圏活断層図「能代」「森岳」の一部
  資料4 都市圏活断層図「森岳」の一部
  資料5 都市圏活断層図「三方」の一部
  資料6 都市圏活断層図「三方」の一部
  資料7 都市圏活断層図「出水」の一部
  資料8 都市圏活断層図「出水」の一部
  資料9 「都市圏活断層図」について   

 都市圏活断層図は、国土地理院HPで閲覧することができます。詳しくは下記のページをご覧ください。
    http://www1.gsi.go.jp/geowww/bousai/menu.html
 また、都市圏活断層図は、1部1,000円(税込み)で全国の主な書店で販売しています。

問い合わせ先

〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
国土地理院 応用地理部 防災地理課
  課長補佐   倉田 一郎  029-864-6921(直通)
  技術専門員     尾崎 豊彦 029-864-6267(直通)
               029-864-1804(FAX) 

 

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