地形図を散歩する:トンネル

トンネル

新潟県糸魚川市(2万5千分の1地形図「糸魚川」)

画像:2万5千分の1地形図「糸魚川」

2本の破線で表示されたのがトンネルです。ここは、交通の難所で有名な「親不知・子不知」の子不知付近で、等高線を見ると海岸からわずかの距離で、標高300mほどの山がせまる急峻なところであることが分かります。森鴎外の小説「山椒太夫」にも出てくるように、昔の旅人は、図の右側に残るわずかな砂浜づたいに進んできて、これから先の難所を避けるように、海路をたどったようです。

 

現在は、国道8号線(雪覆い)及びJR北陸線の上りと下り、北陸自動車道と合計3本のトンネルが並んでいます。この付近の国道8号線は、積雪や雪崩から安全を確保するための「雪覆い」になっていますが、ほとんど連続していて、実質はトンネルのようになっています。

 

地形図からは、交通の難所でもあり要所でもあるため、次第に内陸部にトンネルが設置されていく様子や急峻な山岳がせまっている様子など、自動車や列車などで通過しただけでは分からない景色が見えます。