最終更新日:2022年11月7日

採用担当Facebookアーカイブス 国際的な活動

【派遣報告】第63次南極地域観測隊に参加

こんにちは、リクサポです。
国土地理院では、南極地域の観測・研究に貢献するため、観測に必要な地図や位置の情報の整備・提供を行っており、様々な方が南極に関連する業務に携わっています。
今回は第63次南極地域観測隊に参加した、測地部宇宙測地課の髙木悠さんにお話を伺いました。

測地部 宇宙測地課課 高木さん

2022年11月7日公開→Facebookで見る
こんにちは。測地部宇宙測地課の髙木です。
令和3年(2021年)11月10日から令和4年(2022年)3月28日までの間、第63次南極地域観測隊の夏隊に参加しました。

<南極での観測>
 国土地理院は、第1次隊から続けて職員を派遣し、南極地域の地理空間情報の整備や地図作成のための観測を行っています。 第63次夏隊の昭和基地の滞在期間は50日ほど。過ぎてみればあっという間でしたが、その間に、基準点の設置、GNSSを使った測量 (GNSS とは https://www.gsi.go.jp/denshi/denshi_aboutGNSS.html)、 重力測量、ドローンを用いた空中写真撮影、観測施設の保守などを行ってきました。
(南極地域における地理空間情報に関してはこちら → https://www.gsi.go.jp/antarctic/index.html

<大自然の中の観測>
 観測は東オングル島にある昭和基地だけでなく、大陸沿岸の岩石が露出した露岩域や大陸氷床上でも行いました。 昭和基地を離れると人工物はほとんどなく、生活から観測物資の運搬まで人の手で行わなければなりません。 そのため、大自然の中で観測している実感が増します。海氷、岩石、氷床と様々な景色を見ることもできました。
 一方で、風には苦戦しました。一年の内では比較的穏やかな夏期間ですが、日本よりは強い日が多くありました。 風が吹くと、体感気温が下がって辛いだけでなく、観測そのものやスケジュールにも影響します。 風が弱まるタイミングを見計らってドローンを飛ばしたり、観測機器に風が当たらないように防風対策を行ったりしたこともありました (時には風が強くなって外出制限がかかることも!)。苦労はしましたが、その中で、観測はきちんとできたので達成感がありました。

<お互いの協力で>
 国土地理院からの観測隊への参加は私一人だけ。しかし、現地での準備や観測は一人ではできません。 そのため、他の観測隊員にたくさん協力してもらいました。逆に他の作業を手伝うこともありました。内容を全く知らない人に依頼事項や作業概要を伝えたり、 自分が今までやったことのないことを行ったりしたことは貴重な経験となりました。

大陸沿岸を行く。大陸沿岸では観測機器を担いで、徒歩で観測地点に向かいます。素晴らしい景色が見えることもあります。

GNSSによる測定の様子。岩に赤く塗られているのが地図作成の目印となる対空標識です。

大陸沿岸での重力測量の様子。風を気にしながら測定を行いました。

雪原に沈む夕日。南極の夏期間は、一日中日が沈まない白夜ですが、滞在期間中の終盤に日が沈み始めました。

     

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【派遣報告】第62次南極地域観測隊に参加

こんにちは、リクサポです。
今回は、国土地理院の女性職員として初めて南極での業務に従事された画像調査課の井出さんに、お話を伺いました。

基本図情報部 画像調査課 井出さん

2021年4月21日公開→Facebookで見る
 みなさん、こんにちは。基本図情報部画像調査課の井出です。2020年11月20日~2021年2月22日までの間、第62次南極地域観測隊の夏隊として南極に行ってきました。

<南極で何を?>
 国土地理院では第1次隊から南極地域における位置の基準の整備や地図作成のための観測を行っています。観測隊は主に昭和基地で生活していますが、国土地理院の観測分野では昭和基地以外の露岩域(雪や氷で覆われていない地域)においても、基準点を設置したり、地殻の動きを数ミリ単位で観測したりしています。このような野外観測では、各露岩域までヘリコプターで観測器材や野外生活物資数百キロを運んでもらい、テント設営して数日泊まり、テント設営地点から基準点に行って観測するというのが基本スタイルです。各露岩域に行くと、「よくぞここに!」という場所に先輩隊員が設置した基準点があり、なかなか感慨深いものです。これらの基準点は地球上での位置座標が求められ、その座標値をもとに南極の地図が作成されています。 南極地域における地図などの地理空間情報を知りたい方はこちら
<南極の癒しといえば>
 昭和基地周辺で一番多く出会う動物はアデリーペンギンです。あのフォルムと歩く姿には何度でもキュンとさせられます。楽しそうにお腹で滑っているペンギン、デート中と思われるペンギンのカップル、一匹狼的な孤高のペンギン、迷子になって明らかに困っているペンギン、営巣地で喧嘩しているペンギンなどなど。人間を見ても怯えることもなく、むしろ近寄ってくることすらあります。隊員の中にはペンギンと会話を始める者まで現れました。ただし、営巣地にいる集団のアデリーペンギンを見ると、なかなかのニオイと迫力なので、愛くるしいだけじゃないのだと考え直すことになります。

<観測隊に参加するにあたって>
 経験者の先輩達に話を聞くことで不安要素を取り除くことにも繋がりました。いろんな人の話を聞くことで視点を変えたり想像力を補ったりすることができたようにも思います。その他、些末なところではありますが、南極では重い荷物を運搬する機会が多いので、腰や背中を鍛えておいたことは安心につながりました。
就職活動をしているみなさんも初めての世界に飛び込んでたくさん不安を抱えていると思います。どのように進めばよいか判断できないような道の場合は、できることから1つ1つやっていくことがよいかと思います。
ルンドボークスヘッタ

アニメ「宇宙よりも遠い場所」の聖地ルンドボークスヘッタにて基準点設置

GNSS観測中

奥岩でGNSS観測中。時間帯は夜ですが、白夜なので暗くなりません。

アデリーペンギン

日の出岬のアデリーペンギン

アデリーペンギンの営巣地

日の出岬のアデリーペンギンのルッカリー(営巣地)

     

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【海外学会参加記録】米国地球物理学連合(AGU)秋季大会

地理地殻活動研究センター 地理情報解析研究室 遠藤さん

2020年1月31日公開→Facebookで見る
こんにちは。地理地殻活動研究センター地理情報解析研究室の遠藤(入省3年目、物理区分)です。今回は、アメリカ・サンフランシスコで開催された米国地球物理学連合(American Geophysical Union, AGU)秋季大会に参加したので、その様子をお伝えします。

 AGUは地球科学分野では世界最大の国際学会で、2019年に創立100周年を迎えました。毎年12月に行われる会議では世界中から25,000人以上もの参加者が集まります。非常に多くの研究成果の発表やブース展示があり、会場を一通り巡るだけでも大変でした。
 国土地理院では、技術的な業務を数多く行っているため、それらの内容を学会で発表する機会があります。学会発表と聞くとハードルが高く感じられるかもしれませんが、学会の雰囲気はフレンドリーなことが多いため、特に心配は要りません。また、学会は様々な分野の発表を聴いて視野を広げることができる機会になります。
 海外で学会発表を行うのは初めてでしたが、自分が普段取り組んでいる業務を海外の方々に説明して意見交換をすることができ、非常に貴重な経験になりました。

学会

創立100周年を迎えた学会

学会会場

学会会場の外観

ポスター発表

ポスター発表の様子

 

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【吠え、狂い、叫ぶ航海へ】第61次南極地域観測隊出発報告

2019年12月13日公開→Facebookで見る
先月の11月27日(水)、第61次南極地域観測隊が成田空港から出発しました。
国土地理院は昭和31年の第1次から毎次の観測隊に職員を派遣しています。今回は測地部物理測地課の兒玉篤郎係長が隊員として南極に向かい、測地観測を行う予定です。
南極へはオーストラリアまでを空路で、そこから南極観測船「しらせ」に乗船し、海路で南下します。南極への船旅は、「吠える40度、狂う50度、絶叫する60度」と例えられます。吠え、狂い、叫ぶのは船が揺れる度合いによるものか、はたまた極地へ向かう高揚感によるものなのか、どちらにせよまずは無事に昭和基地へ到着することを祈っています。兒玉隊員、頑張ってください!

見送り

職員有志で成田空港へお見送りに行ってきました。

御守り

兒玉隊員が無事に帰ってくることを祈願し、有志で御守りを作成しました。一人一針ずつ想いをこめ、刺繍を行いました。御守りの中には刺繍にご協力いただいた方々の名簿が入っています。

兒玉隊員

名簿を見てその人数の多さに驚く兒玉隊員。兒玉隊員のためならば、と沢山の方々が協力してくださいました!

 

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【電子基準点の海外展開@ミャンマー】

測地観測センター 電子基準点課 影山さん

2019年11月7日公開→Facebookで見る
こんにちは。電子基準点課観測係の影山(平成17年採用)です。

 2017年に開始されたJICAの「ヤンゴンマッピングプロジェクト」では、デジタル地形図の作成とともに、日本のODAとしては初めて電子基準点網の整備と活用に取り組んできており、今年、その電子基準点網がついに完成しました。

 国土地理院では、20年以上に渡る電子基準点網の運用経験があります。その経験を踏まえて、現地で電子基準点の設置状況の確認や利活用に向けた研修を行ってきました。

 正直、今回の仕事に関わるまでミャンマーに行くことになるとは夢にも思っていなかったので、ミャンマーがどのような国なのかよく分かっていませんでした。日本での経験からは予想しなかったことも起こります。しかし、それは私の世界観を広げてくれました。

 慣れない土地での仕事は大変なときもありますが、そんなときはスイカのジュース(すごく美味しい)で一息つき、仕事終わりにはミャンマービール(あっさりしていて飲みやすい)で打ち上げ。
そのような経験もおもしろいですよ!

研修

写真1:研修の様子

スイカジュース

写真2:スイカジュース

 

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【我々の世界を変革する】

企画部 地理空間情報政策調整官 藤村さん

2019年9月27日公開→Facebookで見る
これは SDGs で有名な「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」の副題です。国土地理院は国連事務局とともに、最新のウェブ地図技術を公的機関に広めるプロジェクトを進めています。

地理空間情報政策調整官の藤村(情報工学採用)です。国土地理院は技術者が働きやすい職場であり、継続的な情報事業を百年を超える時間スパンで実施することから、とりわけ情報技術者にとって働きがいのある職場だと思っています。

十年のスパンで移ろいゆくソフトウェア主導の業務ではなく、また実地の運用が伴わない研究開発の枠に限定されることもなく、百年の単位で維持更新されるべき公的コンテンツを、技術革新が続く情報通信技術環境のなかでいかに維持していくか、そういったことを自分の業務として検討する機会があります。

人間のあらゆる活動がウェブに接続され、またグローバルな巨大情報技術企業が地図サービスでも熾烈な競争とシェア増大を進める中、国土地理院はオープンソースソフトウェアを最大限に活用した「地理院地図」の自前運営に成功し、ハイパーリンクが可能でデータ量を75%ほども縮減できる新技術「ベクトルタイル」の採用に向けて努力を続けています。国土地理院の地図を必要とするユーザがいらっしゃる限り、国土地理院はウェブを通じて地図を提供し続ける機関だからです。

国連事務局の地理空間情報課は、このような先進的かつ変革的な取り組みを国連事務局の地図業務に反映するため、上級地理空間専門官の提供を国連加盟国に求めました。私は2017年から2019年の2年強の間、国連事務局から唯一選定された日本からの上級地理空間専門官として、国連地理空間情報課及び国連グローバルサービスセンターに新技術「ベクトルタイル」を提供しました。

この新技術は国連事務局と国土地理院だけのものではありません。国連活動を支援する組織や開発途上国政府機関を含むあらゆる公的機関が、この新技術を取り入れて地図の提供を効率的、効果的にできます。この観点から、国連での活動の成果はオープンソースプロジェクト「国連ベクトルタイルツールキット」というパッケージにしました。私は今、このプロジェクトが自己持続可能なものになるよう、国土地理院職員の立場から貢献を続けさせていただいています。
こういった建設的・技術的貢献に興味を持ってくださる情報技術者が国土地理院の活動に参加されることを、心から歓迎します。

プレゼン直前

写真1:国連事務局の最高情報技術責任者(CITO)にベクトルタイルの価値をプレゼンする直前の写真です。緊張してますね。ニューヨークの国連本部の背の高い事務局ビルの会議室でのシーンです。

地理院地図 Vector(仮称(※)) のリリース案内

写真2:地理空間情報のオープンソース技術者の世界会議 FOSS4G 2019 Bucharest で国連ベクトルタイルツールキットへの参加を呼びかける中で、地理院地図 Vector(仮称(※)) のリリースを案内しているところです。ルーマニアのブカレストのインターコンチネンタルホテルでのシーンです。

(※リクサポ注)地理院地図Vector(仮称)については、10/3(木) 投稿の記事で詳しくご紹介しています。

 

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【業務紹介:Welcome to Japan! ~測量技術・国際協力の現場から~】

企画部 国際課 上芝さん

2019年8月27日公開→Facebookで見る
こんにちは、リクサポです。国土地理院では日本の測量技術を世界へ発信する取組みを行っていることをご存じでしょうか?今日は国際課の上芝が、国土地理院の国際業務の一部を紹介します。
 国土地理院では開発途上国への技術協力を目的として、測量・地図作成機関(海外の国土地理院!)の職員向けの研修をJICAを通じて実施しており、日本の地図・測量行政の仕組みや最新技術を伝えています。直近では、タイやミャンマー等の9か国の職員を相手に、測量技術のうち電子基準点やGNSS衛星を使った測量に特化した6週間の研修を実施しました。
この研修では職員による講義をはじめ、国土地理院内での測量実習、実習で得られたデータを用いた解析作業、電子基準点の中央局(※1)や石岡測地観測局(※2)等の施設見学を実施しました。また大学教授や専門家等の外部講師を招いた講義や、民間企業を訪問して各社の最新の設備の見学等も行っており、幅広い内容になっています。
私の主な業務は講義を担当する職員の調整や研修員の案内等でしたが、研修員からの質問や要望についても答える必要がありました。例えば、担当講師と直接話がしたい、今日の講義についてもっと詳しく知りたい、筑波山にはどうやっていくのか教えて欲しい等、講義内容から日常生活に至るまで色々なことを尋ねられました。文化も宗教も違う方々との交流は英語の拙い私にとっては大変苦労しましたが、その分やりがいも大きい業務でした。国によって測量・地図作成の技術レベルも様々ですが、彼らの国の発展に貢献できればと思うところです。
※1 電子基準点で観測されたデータは、一部を除き常時接続回線を通じて、リアルタイムで国土地理院測地観測センターのGEONET中央局(茨城県つくば市)に収集されます。
※2石岡測地観測局とは? https://www.gsi.go.jp/uchusokuchi/vlbi-igos.html

VLBI前

写真1.VLBIの前で記念撮影

実習風景

写真2.実習風景その[1]

実習風景

写真3.実習風景その[2]

昼休み

写真4.昼休み時間にスイカをいただきました

電子基準点前

写真5.電子基準点の前で記念写真

夕飯

写真6.夕飯を一緒に食べました(向かって右が私です。)

 

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【業務紹介】世界一幸福な国、デンマークへ

地理地殻活動研究センター 宇宙測地研究室 松尾さん

2019年8月21日公開→Facebookで見る
地理地殻活動研究センター宇宙測地研究室の松尾(入省5年目・研究職採用)です。昨年2月から1年間、デンマーク工科大学の宇宙研究センター(DTU-SPACE)に留学してきました。

留学の目的は、ジオイドについて研究を行うためです。ジオイドとは、地球の重力等ポテンシャル面のうち海水面と最も良く一致する面で、標高の基準面となります。近年、アメリカのGPS衛星や日本の準天頂衛星(みちびき)など、人工衛星による測位システムが広く普及したことで、誰でもどこでも簡単に正確な位置情報を得られる時代になりました。皆さんも、スマホを使って毎日のように測位を行っていることと思います。衛星測位システムで得られる位置情報のうち、高さの成分は楕円体高と呼ばれています。これは、地球を楕円体近似した仮想的な面からの幾何的な高さです。一方、皆さんがよく目にする標高というのは、地球の海水面からの高さであり、さらに水が高いところから低いところに流れるという重力の情報も内包しています。衛星測位システムの楕円体高を、このような実用的な標高に変換してくれるのが、ジオイド(正確にはジオイド高)です。ジオイド高は、重力分布を空間積分することで計算することができます。国土地理院では、2019年から2022年にかけて、航空機を使った重力測量を全国に渡って行うことで、日本の正確なジオイド高を算出するという事業を実施しております。前置きが長くなりましたが、私は航空機で得られた重力データから正確なジオイド高を導出するための計算手法について、DTU-SPACEにて研究を行ってきました。

私が滞在したDTUは、デンマークの首都であるコペンハーゲンからバスで1時間ほどかかる場所にあり、かなり広い敷地を有しています。DTUは19の部門からなり、その中で私は、宇宙部門の地球ダイナミクスグループに所属していました。グループの皆さんは、とても親切かつ上品で、私を暖かくグループに迎え入れてくれました。皆さんの働き方はスマートそのもので、夕方5時以降残って仕事をすることも休日出勤することもなく、長期休暇は6週間しっかり取り、子供の学校が休校の時は子供を研究室につれて面倒を見ながら仕事をしたりしていました。それでいて、優れた研究成果をコンスタントに挙げており、流石は世界一幸福な国に住む人たちだけあって、洗練された人生を送っているなと感銘を受けました。
デンマークでの生活は、研究という点ではすこぶる快適で、自由な時間の中で、難しい課題にじっくり取り組むことができました。日々の生活という点では、デンマークは高福祉国家なため、全体的に物価が高かったのが少し難点でした。また、高緯度に位置しているため、秋から冬にかけては日がほぼ出ない環境にも苦労しました。ただ、夏になると花と緑にあふれ、ヨーロッパらしい美しい風景を楽しむことができました。

DTU-SPACE

(写真1)DTU-SPACEの外観

DTU-SPACE航空重力測量

(写真2)DTU-SPACEの航空重力測量の様子

通学路

(写真3)自宅から大学までの通学路

 

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南極観測実況中継

【業務紹介】南極地域観測隊

2018年12月5日公開→Facebookで見る

国土地理院では毎年南極地域観測隊に職員を派遣しています。11月25日に第60次隊員として参加する渡邉さんが南極へ出発されました。コメントを紹介します。

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こんにちは。第60次南極地域観測隊の渡邉哲也です。島根県出身です。 国土地理院では南極観測隊に第1次隊(1956年)以来、毎次職員を派遣しており、国内同様に南極でも正確な位置の基準の整備や地図・空中写真を整備・提供して、南極観測に貢献しています。
http://www.gsi.go.jp/KOKUSAI/nankyoku.htm
この歴史と伝統ある国家事業である南極観測に携われることに感謝するとともに、安全かつご縁を大切にしながら、各ミッションに尽力してきたいと思います。
南極でどんな景色が待っているか非常に楽しみです。それでは行ってきます。

渡邉隊員

こんにちは。渡邉です。

出発報告

国土地理院の幹部の皆さんに出発を報告しました。 持っているのは前回派遣された隊員から贈られる手作り横断幕。隊員ごとにオリジナルデザインで作られる国土地理院の伝統です。

大量の機材

南極で多くの観測を行うため、大量の機材を持ち込みます。

成田空港

成田空港からいざ出発

見送り

有志一同、手作りの団扇を振って見送ります。

 

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南極観測実況中継[1]

2019年2月12日公開→Facebookで見る

こんにちは、リクサポです。国土地理院では毎年南極地域観測隊に職員を派遣しています。今回から南極観測隊職員の生の声が聞けるシリーズ『南極観測実況中継』をお届けします。

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こんにちは。第60次南極地域観測隊(JARE60)の渡邉哲也です。 昨年11月25日に成田出発後、約1か月の航海を経て12月22日に南極、昭和基地に到着しました。到着後すぐに観測作業に取り掛かり、これまでに基準点の設置に伴うGNSS観測(7か所)、重力測定(5点)、空中写真撮影用の対空標識(9か所)の設置を実施しました。

1月2日から10日までは昭和基地を離れ、南極大陸沿岸の雪や氷で覆われていない露岩域で、8泊9日のキャンプ生活をしながら観測作業を進めました。キャンプ生活では水道なし風呂なしの生活ですが、目の前に広がる絶景、風の音、氷山の崩れる音など日本では感じたことのない感動的な一瞬、一瞬がありました。

幸いにも作業は好天に恵まれましたが、年末にはブリザード(視界が悪くなるほどの激しい吹雪)となるなど南極は厳しい環境であることは間違いありません。今後も安全かつ正確に観測作業を進められるよう、気を引き締めて取り組んで行きたいと思います!

南極地域における地図などの地理空間情報を知りたい方はこちら
http://www.gsi.go.jp/antarctic/index.html

ネスオイヤ

ネスオイヤで記念すべき初観測

ラングホブデ

ラングホブデで相対重力測定

スカーレン

スカーレンで設置した基準点と対空標識

スカーレン

スカーレンでのキャンプ地(絶景)

 

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南極観測実況中継[2]

2019年2月15日公開→Facebookで見る

こんにちは、リクサポです。南極地域観測隊の生の声が聞けるシリーズ『南極観測実況中継』。その第2弾として、今回も渡邉さんからリポートが届きました。

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こんにちは。第60次南極地域観測隊(JARE60)の渡邉哲也です。
南極大陸の氷床の動きを把握するために、昭和基地から東へ約19kmに位置する氷床上での観測を実施しました。
この観測は第38次観測隊(1996年)から定常的に実施しています。長期的に変化を把握することは定常観測の役割のひとつです。

観測風景

氷床上での観測風景

雪上車

氷床上での活動に用いる雪上車

 

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南極観測実況中継[3]

2019年2月19日公開→Facebookで見る

こんにちは、リクサポです。南極地域観測隊の生の声が聞けるシリーズ『南極観測実況中継』。その第3弾として、今回も渡邉さんからリポートが届きました。

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こんにちは。第60次南極地域観測隊(JARE60)の渡邉哲也です。
昭和基地がある東オングル島を含めたオングル諸島の空中写真撮影を実施しました。
昭和基地やオングル諸島の現況を記録し、今後の地図作成等に生かしていきます。

ヘリコプター

空中写真撮影に用いたヘリコプターの前で、パイロットさん・整備士さんと一緒に撮影

機内撮影準備

ヘリコプター機内で撮影準備

 

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【業務紹介】ドイツでの留学紹介

測地部 宇宙測地課 酒井さん

2018年9月18日公開→Facebookで見る

皆さんこんにちは。 測地部宇宙測地課の酒井(H23・総合職:理工3採用)です。 昨年3月から1年間、GNSS(※1)についての研究を行うため、ドイツのポツダム市にあるドイツ地球科学研究センター(GFZ)という研究所に留学していました。

ポツダムというと皆さんどういったイメージをもたれるでしょうか?おそらく多くの方はポツダム宣言が行われた場所、くらいのイメージかと思います。私も実際に行くまではそんな感じでした。しかし、実際に行ってみると、ポツダムはドイツの中でも割とメジャーな観光地でした。古くから王族たちに夏の避暑地として愛されており、サンスーシ宮殿やツェツィーリエンホフ宮殿などが世界遺産に登録されています。また、ドイツの首都ベルリンから30分程度で行くことができることから、ベルリンからの日帰り旅行先としても人気で、常に観光客であふれています。首都に近い歴史のある観光地という点では、日本でいえば鎌倉くらいのイメージでしょうか。

私が今回滞在していたGFZは、そうした観光スポットから少し離れた閑静な場所に位置しており、測地学、地球物理学、地球化学など様々な分野の研究が行われている研究所です。外国からの留学生をたくさん受け入れており、様々な国の人が同じ部署にいるという状況でした。例えば、研究所の私の居室は4人で使っていましたが、その中だけでも中国、アメリカ、ポーランドからの留学生がおり、非常に多国籍でした。研究の話以外にもいろいろな雑談をしたりする中で、国による様々な文化の違いを学ぶことができ、非常に興味深く感じました。また、留学中に国際学会で発表をする機会にもめぐまれ、非常に中身の濃い1年だったと思います。

国土地理院では、私のように海外に留学するチャンスがあります。海外で研究をしてみたいという方、ぜひ国土地理院で働いてみてはいかがでしょうか。

※GNSS:Global Navigation Satellite Systemsの略。GPS(アメリカ)、準天頂衛星(日本)、GLONASS(ロシア)、Gallileo(EU)など衛星測位システムの総称

研究所

写真-1 研究所の外観

ツェツィーリエンホフ宮殿

写真-2 ポツダム会談の行われたツェツィーリエンホフ宮殿

国際学会での発表

写真-3 国際学会での発表の様子

#国土地理院_業務紹介 #国土地理院_業務紹介_技官

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【業務紹介】アメリカでの日々

応用地理部 地理情報処理課 大角さん

2018年8月27日公開→Facebookで見る

みなさん、こんにちは!入省7年目の大角(1種採用:現総合職採用)です。

私は所属としては、国土地理院ですが、今年の3月から在外研究員としてアメリカで過ごしています。今回は、私のアメリカでの日々をご紹介します。
私が在籍しているのはコロンビア大学付属の研究所で、こちらで衛星画像データを使用した土地被覆分類(場所ごとに森林、都市、水域等に分類すること)の研究を行っています。また、研究所のプロジェクトにも参加しており、そのプロジェクトでは国土地理院では扱わない人口に関するデータも使用するので、とても興味深いです。

こちらでは研究だけでなく、ニューヨークの国際連合本部で行われた地図に関する会議に、国土地理院からの出張者とともに参加しました。会議では、国連の地図に関する活動について議論されたのですが、日本政府代表団としての意見を発言する機会も与えてもらい、緊張しながらも発言を行い貴重な経験をすることもできました。(写真1)

ここからは、アメリカでの生活も少しお伝えしたいと思います。
大学のキャンパスは、ニューヨークの中心部からは少し外れたところにあり、周りを緑に囲まれたとてもいい所です。キャンパス内には動物もいて、時々リスやガチョウを見かけたりして癒されています。(写真2)
研究所内でも友人ができ、ランチも一緒に食べたりしています。(写真3)もちろん会話は英語で行われるのですが、ネイティブ同士の英語を聞き取るのは、正直かなり難しく、理解できず悔しい思いをしています。まだ半年以上滞在期間があるので、この悔しさをバネにさらに英語の勉強をしたいと思っています。

ところで、私がアメリカに来るまで心配していたのが、食事でした。
アメリカではハンバーガーとステーキばかり食べて、ブクブクと太ってしまうんじゃないかと思っていましたが、そんなことはなかったです(笑)。家の近くには、アジア系のスーパーがあり、そちらで日本の調味料や食材も購入することができ、自炊することができています。

今回はアメリカからの投稿でした。
国土地理院では、海外に関する仕事や留学制度もあることが分かっていただけたでしょうか?
海外に関する仕事に興味があれば、留学を希望することや国土地理院の国際課で働いてみるのも面白いと思います!

国際連合本部

写真1:国際連合本部での会議

キャンパス内

写真2:キャンパス内の動物

ランチタイム

写真3:同僚とのランチタイム

#国土地理院_業務紹介 #国土地理院_業務紹介_技官

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【職員紹介】VLBIに関する国際会議

測地部 宇宙測地課 川畑さん

2016年7月28日公開→Facebookで見る

こんにちは、リクサポです! 国土地理院では国際的に活躍する場も多数あります。今日は国際舞台で活躍している川畑さんに、その様子を紹介してもらいます!

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入省7年目、測地部宇宙測地課の川畑(1種理工3区分)です。
今回は、私がこれまで参加した国際会議の様子についてお伝えします。

私が参加してきた会議は、VLBIに関する会議です。VLBIって何?って思った方も多いでしょうか?国土地理院の構内に巨大なパラボラアンテナがあるのですが、VLBIはそのパラボラアンテナを使って、アンテナ同士の位置関係を正確に測る技術です。

VLBIは、遠く(何千kmも)離れたアンテナを複数用いて、地球上での位置を決定したり、地球の自転の速さを計測するなど、地球規模の測量に使われているので、国際連携による観測が必須です。そのため国土地理院は、国際VLBI事業(IVS)というVLBI国際観測をとりまとめる組織に参加しています。

これまで4回ほどIVSの国際会議に参加し、国土地理院のVLBIについて状況報告や、今後のIVSの方針について議論を行いました。特に印象に残っているのは、アジア・オセアニア地域の担当者グループの会議です。私がグループの幹事長になっていることから、グループの方針を決定する会議の司会を任されることがありました。会議をまとめなくてはならない立場ですので、そのときはかなりのプレッシャーでしたが、参加国の担当者からの幅広く意見を聞いて、各々が納得できる方向に会議を持っていこうと四苦八苦しながら取りまとめたのを覚えています。

皆さんの中には、外国の方は自己主張が強くて議論をまとめるのが大変だ、と思っている方もおられるかも知れません。しかし、実際に外国の方と話してみると、皆さん非常に誠実で他人の意見を尊重してくれます。これはVLBIが、国際連携が必須な事業という側面も大きいかもしれません。担当者と直接話をすると、その後色々な相談もしやすくなり、メールでのコミュニケーションも円滑に進みます。組織と組織との連携が、このような人と人との信頼関係によって維持されていることを、会議に参加するたびに実感させられます。

「国土地理院VLBI」http://www.gsi.go.jp/uchusokuchi/vlbi.html
「【職員紹介】「測る」仕事とは?」https://www.facebook.com/gsi.saiyo/posts/1017979164941949

評議会メンバー集合写真

IVSの方針を決める評議会メンバーで集合写真(ポルトガル国アゾレス諸島)

国際会議

国際会議で講演の様子(南アフリカ)

直径26mのアンテナ

直径26mのアンテナを視察(オーストラリア)

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【国際】JICA研修

企画部 国際課 塩谷さん

2016年6月20日公開→Facebookで見る

こんにちは。リクサポです。 今回は、国土地理院の国際活動のひとつ、JICA集団研修を国際課の塩谷さんに紹介してもらいます。

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企画部国際課の塩谷です。(入省19年目)

国土地理院では、開発途上国における地図の整備と測量技術の向上のため、JICA(※)を通じ、専門家の派遣や研修員の受入などの技術協力を行っています。
その1つとして、5月24日からJICA課題別研修「国家基準点管理の効率化と利活用」が始まり10ヶ国10名の研修員が来日しています。

この研修は、国土地理院の「電子基準点網」に関する技術を、開発途上国の研修員にお伝えするためのものです。具体的には、GPS等の測位衛星の信号を連続的に観測し、測位サービスの高精度化や地殻変動の検出に役立てる「電子基準点網」の構築・運営・管理に関する技術について講義を行います。カリキュラムのほとんどは国土地理院で実施されます。

それぞれの国の状況に合わせた電子基準点網を構築できるよう、国土地理院の熟練した職員や我が国の様々な分野から派遣された講師が、約1ヶ月にわたって研修員をサポートします。

研修員の国に電子基準点網が整備されることでインフラ整備や防災を含む持続可能な開発に協力できると考えていますし、また、国際的な共同観測によって地球に関する新たな知識を得るための基盤も構築していると感じています。

私の現在の担当業務は講義や実習の調整ですが、私自身も測地測量に携わったことがあり、研修員からの技術的な質問に直接答えることもあります。技術的なやりとりだけに限らない交流を通じて、派遣国の事情や文化を知ることができ、国際感覚を養うことができます。

※JICA: 国際協力機構(JICA)は、政府開発援助の実施機関として、開発途上国への資金協力や技術協力、国際緊急援助等の事業を行っています。

GNSS実習

写真1)観測実習場におけるGNSS実習

施設見学

写真2)施設見学の様子

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【出展報告】G7茨城・つくば科学技術大臣会合 特別展

基本図情報部 地図情報技術開発室 菅井さん

2016年6月2日公開→Facebookで見る
みなさんこんにちは!
 基本図情報部地図情報技術開発室の菅井(入省2年目)です。

 ニュース等でご存知の方も多いと思いますが、5/15~17にかけて、つくば市にてG7茨城・つくば科学技術大臣会合が開催されました。この会合に合わせて、日本の最先端の科学技術を集めた特別展が5/14~21(一般公開は5/18~21)に開催され、国土地理院からも出展しましたので、その内容について報告します。

 私が所属する基本図情報部は、屋内外の三次元地図整備に向けた取り組みを紹介しました。三次元地図の整備により、自動車や車椅子の自動運行、高齢者や外国人の歩行者移動支援、災害時の適切な避難誘導などでの活用が期待されます。一口に三次元地図の整備と言っても、屋外と屋内それぞれの環境の特徴を踏まえ、整備手法を選定する必要があります。日々進歩する技術動向を把握しつつ、整備手法の調査を進めているところです。

 また、この技術を用いて作成した、熊本地震の被災地の立体地図も展示しました。地震発生後に撮影した空中写真から作成したものです。 立体地図はモニター上で視点を自由に変えて見ることができ、現地の地形を理解しやすいため、多くの来場者に関心を持っていただいたようです。

 自分が取り組んでいる業務を対外的に説明することは重要なことですし、何と言っても、各国の要人が集まるイベントの独特な空気と緊張感を肌で感じられたことは貴重な経験でした。

説明の様子

写真1:展示について説明している様子

国土地理院のブース

写真2:国土地理院基本図情報部のブース

特別展会場

写真3:特別展会場の様子

 

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【派遣報告】第57次南極地域観測隊に参加

基本図情報部 画像調査課 下野さん

2016年5月15日公開→Facebookで見る

みなさんこんにちは。

基本図情報部画像調査課の下野です。
みなさんは南極観測隊と聞いてどのようなイメージを持たれるでしょうか。
健さん?キムタク?タロ・ジロ?料理人?
いずれも自分には縁遠い存在だと思っていませんか?

私は第57次南極地域観測隊に夏隊として参加し、約4ヶ月の活動を終えて平成28年3月27日に帰国しました。
国土地理院と南極観測隊のつながりは深く、あのタロ・ジロが活躍した一次隊から毎年隊員を派遣しており、「測地」の専門家として、南極地域における位置の基準の整備、地殻変動の検出、地形データの取得、地図作成等を行っています。
南極観測隊は約60名の隊員で構成され、隊員はそれぞれの専門知識を生かして、互いに助け合いながら厳しい環境の中で活動しています。
約2ヶ月に及ぶ南極観測船「しらせ」での生活、昭和基地を離れての野外活動、息を呑む南極大陸の風景、オーロラ、ブリザード・・・
今度は是非、みなさん自らが南極観測隊員となって、非日常の世界を体験してみてください。
国土地理院にはそのチャンスがありますよ!

南極

写真1)360度の“氷”平線と無生物の世界で4泊5日、雪上車で過ごしました。南極大陸は氷の大陸といわれるように、ほとんどがパンケーキ状の厚い氷床(平均2、450m)で覆われています。写真の地点で標高(氷高?)600m。寒いです!

南極大陸の露岩

写真2)南極大陸にも露岩はあります。そうした露岩域を転々としながら三角点を設置します。ひたすら山を登る日々。最長8連泊のテント生活は勿論、風呂なし、顔も手も洗いません。

オーロラ

写真3)「しらせ」から見たオーロラ。

アデリーペンギン

写真4)アデリーペンギン。たまに出現して、場を和ませてくれます。写真のように両手を広げてよちよち歩く姿が猛烈にかわいい。

シャチの群れ

写真5)「しらせ」から見たシャチの群れ。南極海ではクジラやアザラシなど、たくさんの動物に出会えます。

 

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