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地理院ホーム  > 基準点・測地観測データ > 干渉SAR  > 干渉SARの特徴  

干渉SARの特徴

干渉SARの長所

広範囲を面的に観測

SARは数十km~数百kmの範囲を観測します。このため、広範囲にわたる地表のわずかな動きを一度に捉えることができます。

地上に観測機器が不要

災害や険しい地形などにより、人が立ち入ることができない場所でも観測することができます。

夜間・雨天でも観測が可能

SARは、衛星から電波を送信し、地表面からの反射波を受信するため、太陽の反射光を必要としません。このため、昼夜に関係なく観測できます。また、SARが用いている電波は、雲を透過する性質があるので、天候に左右されることもありません。

変動の方向

SARは斜め下に向けて電波の送受信を行っており、SARアンテナ真下の画像は得られないことに注意が必要です。 これは、SAR電波を真下に送ると、真下を対称として右から反射される電波と左から反射される電波が等距離になってしまい、対象物までの距離の違いで対象を見分けているSARにとって、右と左の区別ができなくなってしまうからです。
SAR衛星の電波を照射する方向のイメージ

SAR衛星が直下ではなく、斜め下方向を観測することから、衛星が西側から観測する場合(北行軌道・右向き観測及び南行軌道・左向き観測)と、東側から観測する場合(南行軌道・右向き観測及び北行軌道・左向き観測)があります。
SAR衛星の観測の方向


干渉SARで測定しているのは、SARアンテナと地表を結ぶ直線の方向(衛星-地表視線方向)です。
地表の変動は3次元(東西、南北、上下)ですが、干渉SARが観測しているのは衛星-地表視線方向の1次元にすぎません。そのため地表がどちらに動いたかを単純に判別することはできません。「衛星から遠ざかる変動が見られます。」といった場合、衛星が東側から計測している時には、地表が下または西に動いたことになります。このとき、南北方向に動いたかどうかはわかりません。また、動いた方向が下向きなのか西向きなのか、もしくは下向きと西向きの両方なのか、といった区別はできません。

干渉SARの観測方向と変動の向き

また、同じ変動を西側から観測する場合と東側から観測する場合では、同じ変動を捉えた場合でも、違って見えることがあります。

観測方向による見え方の違い

干渉SARとGNSSの比較

地表変動観測での干渉SARとGPSの違い
  干渉SAR GNSS
地上の観測施設 不要 観測装置が必要
面的情報 可能 不可能
連続観測 不可能 可能
変動量の絶対値 直接求められない 観測可能
測定量の方向 一次元 三次元
観測時期 数十日に1回 24時間可能








 

被観測地に設備不要

GNSSは観測装置を設置して観測した点のみの情報が得られますが、干渉SARでは地表に特別の観測施設はまったく必要ありません。

面的情報が得られる

干渉SARは、一度に広範囲に及ぶ地表面の観測が可能で、非常に高い空間分解能の情報が得られます。

連続観測はできない

1つのSARシステムによる1回の測定でSAR画像は得られますが、2つのデータがなければ干渉させることはできません。人工衛星の干渉SARでは繰り返して同じ軌道を飛び2時期のデータを取得します。この2つのデータは同一条件(周波数など各種の観測パラメーター)をもったSARシステムで取得されていなくてはならず、一般には同一の人工衛星の繰り返し軌道データです。ただし、ヨーロッパの人工衛星のERS-1、2やCOSMO-Skymed-1~4のように衛星が複数運用されている場合もあります。

変動量の絶対値は得られない

干渉SARは、2時期の観測データを使用して、その期間における地表の位置の差を変動量として求めることができますが、地表位置の絶対値は直接得られません。得られるのは一枚の画像中での変動量の相対値です。変動量の絶対値を求めるために、断層による変動であれば「断層から十分遠い場所では変動量がゼロである」というような仮定を用いたり、他の観測データを使用しなくてはなりません。

得られる変動は衛星-地表視線方向のみ

GNSS衛星は複数あり、同時に異なった方向からの測定が行われることにより地表の三次元変位が得られますが、SAR衛星の数は限られており、同時に別々の方向からのSAR観測が行われることはほとんどありません。また、SARでの地表変動測定は、衛星-地表間の視線方向に沿って行われます。干渉SARにおいては、2回の観測でほぼ同じ軌道位置(最大でも数km以内)から同じ対象を観測する必要があるので、1つの衛星による測定方向は常に斜め上方の同一地点からの視線方向に沿ったものであることが多くなります。

観測時期が限られる

GNSS観測は現在24時間可能ですが、SAR観測は衛星が対象地域の上空にある時だけ可能です。地球全体を1機のSAR衛星で観測すると、同じ場所を観測する周期は、通常、十数日になります(「だいち2号」は14日)。つまり、ある場所を観測した場合、次に同じ条件で同じ場所を観測できるのは十数日後になります。

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