三角点の役割

地図の作成

地図を作成する場合は、空から写真を撮り、写真を元に地図を描きます。このとき、写真上に位置の基準が無い場合、作成した地図にゆがみが発生してしまいます。写真に写り込んだ三角点の位置を基準にして、写真に位置を与えることによって、ゆがみが解消され、正確な地図を作成することができます。
三角点と空中写真と地図

国土の管理

国土地理院が国家基準点(三角点等)を設置し、その測量を行うことは、その土地が日本の領土であることを明示する行為でもあります。平成18年度以降は、領海や排他的経済水域の外縁を根拠づける離島等においても、国家基準点の設置や再測量を行っています。
平成18年 肥前鳥島(近景)
平成18年 肥前鳥島(遠景)
各種公共事業

 道路建設や都市開発などを行う場合には、正確な座標値が必要となります。三角点は、各種公共工事の位置の基準として用いられます。
都市計画図の整備
公共工事
災害復旧

三角点の位置は、地震などにより大きく変動する場合があります。変動した三角点位置を改定する場合、再測量による方法が最も精度の高い方法ですが、大規模地震ともなれば膨大な時間と費用が必要となります。

地震後に三角点の測量を行い、地震前の値と比較することにより、その三角点の変動量を見積もることができます。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の際には、地震の影響を受けた三角点のうち、約1,300点について再測量を行いました。
得られた結果から座標補正パラメータを作成し、約4万点の三角点の位置を再計算したほか、このパラメータを一般に公開しました。このパラメータを使用して補正計算を行えば、三角点だけでなく、国家座標と整合した地図等を改定することができます。
再測量
地震に伴う基準点の取り扱い