第19回全国児童生徒地図優秀作品展大臣賞受賞者及び作品の紹介

第19回全国児童生徒地図優秀作品展大臣賞受賞者及び作品の紹介

国土交通大臣賞

「危県!広島県 県内ワーストワン広島市!」

広島市立大州中学校 3年 熊谷 彩

画像:国土交通大臣賞立体地図

立体地図

画像:国土交通大臣賞附属の資料

附属の資料

作品主旨文

広島県は急傾斜地崩壊危険箇所、土石流危険渓流数ともに全国最多であり、県内の市町村別では広島市が1位となっている。

昨年の土石流災害では、土砂災害特別警戒区域以外でも被害が出た。要因として花崗岩の風化(まさ土化)や山林を切り拓いての宅地化がある。模型上に花崗岩の分布と急傾斜地崩壊危険区域・主なニュータウンを合わせ危険な地域が一目でわかるようにした。真砂土化を止めることは難しく、砂防・治山・水路整備も遅れている。ひとり一人が防災知識を学び、学区ごとで防災能力を高めていく必要がある。広島市が災害に強い市1位となり、災害死0となることを強く願う。さらに研究をし、防災に繫がることを見つけたい。

講評

広島での「土砂災害」という記憶に新しい身近で起きた課題を取り上げ、災害危険区域や開発地区などの情報を重ね合わせる中で、自らの問題として広島市の今の課題も明らかにしようという意図がよく伝わってくる作品。作品のスケールも適切であり、危険な地域である真砂土の表現など色の使い方も効果的であった。細かく災害の状況や危険地域など調査しており、災害箇所をピンで示すなど立体地図の表現もよくできている作品である。また、付属の資料も非常に充実していた。

文部科学大臣賞

「長野県神城断層地震~立体地図で活断層を見る~」

岐阜県立大垣北高等学校 2年 山口 愛加

画像:文部科学大臣賞 地図

地図

画像:文部科学大臣賞 立体地図

立体地図

作品主旨文

2014年11月長野県神城断層地震が発生し、直後の新聞記事を見て、日本の至るところに存在する活断層についての認識を高めるために立体地図を作成しました。立体地図を作成することにより、平面の地図だけではイメージできなかった地形の細かな様子がわかりました。身近な危険に対する理解が十分でないので、身の回りの環境に関心をもち、正しく理解し自然災害から身を守る気持ちを高める必要があると感じました。

講評

活断層というテーマに非常に丁寧に熱意を持って制作された作品。大判の立体地図や地質図、説明用の地図を重ね合わせる手法なども用いて断層や関連する地形の状況について深く理解しようという積極的な姿勢が強く感じられる。作成の過程で自ら現地調査を行い、地図上の情報に自ら確かめた情報を対応させるなど現地調査の重要性を明らかにしている点でも地図・防災教育での広報等にも貢献する作品である。