災害時の迅速な対応及び防災に役立つ情報の整備

―風水害基礎情報整備―

1.背景・目的

 地震や洪水などの自然災害による被害の大きさと地形との間には密接な関係がある。
国土地理院では、台地、低地、人工改変地等について地形分類を行った結果を地形図の上にまとめた「土地条件図」を整備し、防災対策や土地利用計画等のための基礎資料として一般に提供している。
 近年の都市型水害や活断層による地震被害の大きな地域は、都市部の造成地(切土、盛土、埋立て)と密接な関係があり、地形の人工改変が進む都市部における土地条件図の更新が課題となっている。従来の地形分類は、専門家による空中写真の判読等が必要であったことから、土地条件図の更新は容易ではなかった。しかし、航空レーザ測量の進展により、地形分類のための判読を容易にする高密度で高精度の地形情報の整備が都市圏を中心に進展した。したがって、これらの地形情報を活用した土地条件図の効率的な更新が可能となった。

2.事業の概要

 大規模な造成が行われてきた三大都市圏域の土地条件図について、航空レーザ測量のデータを活用した効率的な更新を平成24年度までの3カ年で実施するとともに、電子国土基本図との位置的整合を図る。

3.平成22年度要求額

 国費 53百万円

4.事業の効果

 整備した土地条件図は、災害による被害の軽減に資するハザードマップ作成をはじめ防災計画等を支援し、地域に即した防災対策・危機管理対策に寄与する。
 また、これまでの土地条件図は印刷図として提供されてきたが、今後は、電子国土基本図と整合のとれた電子情報として整備することから、インターネット上で容易に活用できることになる。

風水害基礎情報整備