国土の位置の基準を定める位置情報基盤の高度化の推進

―電子基準点測量―

1.背景・目的

 電子基準点は、我が国の国土の位置を決定する骨格であり、測量の基準点として広く利用されるとともに、電子基準点測量による地殻変動観測は、地震調査研究推進本部により地震調査研究のための基盤的調査観測として位置づけられている。
 また電子基準点のリアルタイムデータを民間に開放することにより、民間における地理空間情報サービス産業の発展にも重要な役割を果たしている。
 国土の位置情報の基盤としてこのように不可欠な電子基準点1240点(平成21年4月現在)は今後とも測量の基準等のために継続して維持する必要があるとともに、詳細な地殻変動情報をより速やかに提供するための解析手法の高度化等を行っていく。

2.事業の概要

 電子基準点測量を引き続き実施するとともに、今後も安定して観測データを取得・提供していくために、設置後10年以上経過している電子基準点を対象に、順次、受信機等の更新を行う。平成22年度はその内80点について行う。
 また、現行のGPS連続観測システム(GEONET)において、地殻変動情報をより速やかに提供するため、準リアルタイム解析ができるシステムの開発を行う。あわせて、火山変動地域の詳細な地殻変動情報を取得するため、他機関のGPS観測網との統合解析を実施する。

3.平成22年度要求額

 国費 732百万円

4.事業の効果

 GEONETが国土の位置情報の基盤として常に安定したシステムであること、地殻変動情報を速やかに提供すること、火山変動地域での他機関のGPS観測網との統合解析を実施すること等により、地震・火山の調査研究への更なる貢献が期待できる。国土の災害対応として、迅速な地殻変動情報を提供することにより、安全・安心な社会づくりに役立つものである。
 

電子基準点測量