2.国の機関及び地方公共団体が行う公共測量の指導・調整 ~測量の重複を排除し、その正確さを確保~ 

測量の基準を統一し、地理空間情報の秩序と正確さを確保する

 公共測量は、国の機関や地方公共団体が行う測量であり、我が国で実施される測量の大部分を占めています。国土地理院は、土地の測量に関する唯一の国の機関として測量法に基づきこれらの測量の重複を排除し、その正確さを確保するための施策を推進しています。

◇公共測量の指導・助言

 国土地理院は、測量計画機関から提出された計画書を審査し、必要な精度が得られる方法で行われているか、他の公共測量と重複していないか等の観点で技術的助言を行っています。(測量法第36条)
 また、公共測量の実施状況や得られた成果が広く利用されるように、国土地理院のホームページ等で公表しています。

◇測量に係わる国家資格制度の運用・管理

 国土地理院は、測量法に基づく国家資格である測量士及び測量士補の国家資格制度を運用・管理しています。測量士は、測量に関する計画を作成し、又は実施する者をいい、測量士補は、測量士の作成した計画に従い測量に従事する者をいいます。測量士又は測量士補として登録された者は、測量法に規定する基本測量又は公共測量に技術者として従事することができます。

◇測量に関する技術基準の策定

 測量に関する技術基準として作業規程の準則を策定しています。作業規程の準則は、公共測量を行う場合の規範となる作業方法等を示したもので、GPS測量や航空レーザ測量、デジタル写真測量等の新しい測量技術、測量成果の電子納品、基盤地図情報の利用等の必要事項を規定しています。また、測量計画機関は、この準則を作業規程として準用することが可能です。

◇積算基準、入札・契約基準の策定

 請負測量業務等における積算及び入札・契約業務等を統一的な基準で遂行するための技術基準を策定しています。技術基準を策定することにより、各受発注者による積算や業者選定及び企業評価等を公正に行うことが可能となるとともに、業務の省力化・効率化が達成できます。また、一定水準以上の技術力等を保持する請負業者へ発注することが可能となり、成果品の品質向上が確保できます。

◇位置の基準の管理

 平成14年、改正された測量法の施行により、位置の基準が、日本独自の日本測地系から世界共通の世界測地系に移行しました。国土地理院は、我が国全体の測量の統一化を図るため、世界測地系への対応が未措置の測量成果について、世界測地系での測量の実施を指導するとともに、世界測地系への座標変換マニュアルを作成し、移行への支援を行っています。

○変動する国土に確かな位置情報を提供

 国土地理院が行う基準点の測量にプレートの運動などに伴う地殻変動による歪みの影響を取り除く「セミ・ダイナミック補正」を平成22年1月から導入しました。また、公共測量では、同月以降に実施される電子基準点のみを既知点とする1級基準点測量に適用します。この補正に必要な資料を平成21年12月4日からウェブページで提供しています。