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日本全国の湿地面積変化の調査概要

湿地・湿原の変遷調査の目的

この調査は、日本全国の湿地・湿原の変化の状況を把握することを目的として1996(平成8)~1999(平成11)年度にかけて実施され、5万分1地形図の全国整備がほぼ完了した明治・大正時代から1999(平成11)年までの、およそ70年から90年間の湿地面積の変化を計測したものです。この調査結果2000(平成12)年8月まとめ)は、今後の湿地の環境保全、自然再生などの利用に役立つものと考えています。
北海道の釧路湿原の様子
日本最大の湿地である北海道の釧路湿原;面積226.56km2

調査対象地域

日本国全土を調査対象地域としていますが、歯舞群島(はぼまいぐんとう)、色丹島(しこたんとう)、国後島(くなしりとう)、択捉島(えとろふとう)及び竹島(たけしま)は含まれていません。

湿地面積の調査方法

この調査では、明治・大正時代の5万分1地形図に表示されている湿地記号の範囲と現在の5万分1地形図に表示されている湿地記号の範囲を地形図上で比較して湿地面積の増加・減少を調べました。 調査の手順は次のとおりです。(なお、このページに載せた図面類は説明用として作成したもので、実際に使用したものとは異なります。)

(1)明治・大正時代の古い地形図上で湿地記号の範囲を調べます。
図1は大正元年測図の日光15号5万分1地形図「藤原」の一部です。
尾瀬ヶ原の湿地の一部が含まれており、黒のとぎれとぎれの平行線で描かれている部分が湿地です。作業では湿地記号の周囲を線で囲みます。
 

古い地図上で湿地記号の範囲を調べている図1

図1

(2)最近作成の新しい地形図上で湿地記号の範囲を調べます。
図2は平成3年修正の日光15号5万分1地形図「藤原」の一部で、(1)の地図と同じ範囲です。
(1)の作業と同様に尾瀬ヶ原の湿地の周囲を線で囲んでいます。

新しい地図上で湿地記号の範囲を調べている図2

図2

(3)(1)の図と(2)の図の湿地範囲を示す線から湿地面積の変化を調べます。
図3は、(2)の地図に(1)の図の湿地の範囲を書き写したものです。
湿地面積の増加した部分、減少した部分、変化しなかった部分に分かれた地図になります。この変化の状態を「湿地変化の分類基準」で区分して着色します。ここでは、湿地面積が増えた部分を黄色(分類記号:C1)、減った部分を青色(分類記号:B2)、変化せず残った部分を赤色(分類記号:A)に塗り分けています。

湿地面積の変化を調べている図3

図3
 

以下の表は、湿地変化の分類基準を示しています。

湿地変化の分類基準
記号 分類の略称 湿地変化の分類基準
A 残存 明治・大正時代及び現在の地形図のいずれにも湿地記号があるもの
B1 減少(開発) 明治・大正時代の地図に湿地記号の記載があるが、現在の地形図に記載がないもので、宅地化や農耕地化、その他の人為的行為により湿地が減少したもの
B2 減少(自然減) 土砂流入等の自然現象により湿地が減少したもの
C1 増加(後に発見) 明治・大正時代の地図に湿地記号の記載がないが、現在の地形図に記載されているもので、山間地等で明治・大正時代には確認できなかったが、後に航空測量などの測量技術が進歩し新たに確認されたもの
C2 増加(水位低下) 明治・大正時代の地図に湿地記号の記載がないが、現在の地形図に記載されているもので、土砂の流入等により湖沼・河川の水位が低下し、湿地になったもの
C3 増加(水位上昇) 明治・大正時代の地図に湿地記号の記載がないが、現在の地形図に記載されているもので、ダムや河川改修により水位が上昇し湿地となったもの
C4 増加(休耕田) 明治・大正時代の地図に湿地記号の記載がないが、現在の地形図に記載されているもので、水田が減反等で休耕田となり湿地化したもの
Z (略称なし) 周囲を湿地に囲まれた地域で湿地以外のもの(例:池、丘陵など)


座標読み取り装置(ディジタイザ)を使用して、(3)の作業で湿地を区分した地図上の湿地の位置や面積を測ります。
座標読み取り装置で地図上の湿地の位置や面積を測っている様子

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