電子基準点日々の座標値(F3解)が全国的に跳んだ事例

 電子基準点日々の座標値(F3解)が全国的に北方向に1cm程度の値の跳びが散見された事例を示します。
日々の座標値[F3]の跳びが見られる事例
図1:電子基準点日々の座標値(F3解)の跳びが見られた事例

電子基準点日々の座標値(F3解)

 
電子基準点日々の座標値(F3解)では、日本周辺のIGS(国際GNSS事業) 観測点から求めた電子基準点「つくば1」の座標値を固定して(図2)、GEONET の各観測点の座標値を算出しています。なお、これらの計算の際には、観測日の約2週間後にIGS から提供される精密暦を用いています。
解析固定点(最終解)の座標値の計算

図2 解析固定点の座標値の計算例(観測データの有無等により、使用される観測点は変更される)

跳びの原因


2021年2月頃から、電子基準点「つくば1」の解析に使用しているIGS観測点の一つであるGUUG(グアム)の観測データが欠測しました。また、長期間欠測していたSUWN(スウォン)の観測データが復旧しました。解析に使用された観測点が変更されたため「つくば1」の座標値に跳びが生じ、全国の電子基準点日々の座標値(F3解)の跳びにつながったと推測されます。

結論


上記のことから、図1の赤枠部分の期間内で見られる跳びは、電子基準点日々の座標値(F3解)の固定点として使用している電子基準点「つくば1(92110)」の座標値の跳びが原因と判断されます。