地理空間情報産学官中国地区連携協議会

平成28年度の概要

開催概要

日時

平成28年12月5日(月) 13時15分から16時15分まで

場所

広島合同庁舎2号館(7階)共用第5会議室

出席

産学官構成団体より29名(オブザーバー含む)

議題

(1)地理空間情報の施策についての照会

  • 地理空間情報活用の推進と国の役割
  • 無人航空機による国土地理院の災害対応

(2)地理空間情報の利活用について

  • 農業農村整備分野における技術研究について
  • 応用衛星リモートセンシング研究センターについて
  • 島根県統合型GISを活用した鳥獣対策
  • 無人航空機(UAV)等の新しい技術を活用した計測事例

(3)取組に関する意見交換

(4)今後の活動方針(案)について

主な報告事項

(1)地理空間情報の施策についての照会

  • 国土地理院企画部より地理空間情報活用の推進と国の役割について、推進のための取組として「地理空間情報活用推進基本法」「基本計画」「具体的な施策」の三層構造が紹介され、現行(第2期)の基本計画が目指す4つの方針と、次期基本計画に向けた骨子案の概要として「G空間情報センターの利活用」「準天頂衛星システム等の測位サービスの活用案」について国の取組を交えながら紹介された。
  • 国土地理院基本図情報部より「国土地理院で行うUAVの概要」「UAVによる災害撮影」「災害時の出動の流れ」「安全基準及び平時の訓練」「今後の課題」について報告された。また、国土地理院ランドバードチームにおける「UAVの革新性や最近の動向」「災害時におけるUAVの有用性及び撮影体制と使用機体」「安全基準の整備と技能取得」について発表を行い、運用体制の時間短縮やニーズの把握等の課題の報告がなされた。

(2)地理空間情報の利活用について

  • 中国四国農政局農村振興部より農業農村整備分野における技術研究として、新たな技術開発計画案の政策目標となる「担い手の体質強化」について、「ICT技術を導入しての農地管理」「水資源を制御する水利システムの開発」「自操可能な除草ロボットの導入」に関する報告がされた。技術的な面においては、生産コストの削減について実際の研究事例(Wi-SUNを用いた通信網の整備)をもとに省力化に効果を上げたことが報告された。
  • 山口大学工学部より応用衛星リモートセンシング研究センターについて、JAXA、山口県、山口大学が協働で人工衛星による衛星データの研究や利用促進を相互に協力して取り組む動きや、人工衛星を用いてJAXA側から県・大学側にデータを提供し、防災、宇宙教育活動、研究及び人材育成に活用する動きが報告された。
  • 島根県中山間地域研究センターより島根県統合型GIS(マップonしまね)を活用した鳥獣対策として、統合型GISを用いて鳥獣の生息情報を一元管理できるマップの作成の推進と公開について捕獲実例を交えて発表がなされ、導入以降年々捕獲数が増えている成果がデータで紹介された。さらなる有効活用には収集した情報の活用法には専門的な解析技術が必要で、今後の課題であるとの報告がなされた。
  • 復建調査設計(株)より無人航空機(UAV)等の新しい技術を活用した計測実例として、埋立残土容量把握におけるUAVを用いた三次元点群測量について実際の観測事例を交えて発表がなされた。

(3)取り組みに関する意見交換

農林水産省で活用している土地改良等の地図データの利活用について、活発な意見交換がなされ、地図が重複して作成されている現状や、民間及び地方公共団体が作成している地図についての利活用に課題があることが報告された。
会員制で取り組まれる水土里情報の地図情報について、利活用について誰でも使える情報共有を活用して推進していってほしいとの要望があった。
UAVに関しては、価格、オペレーターの人数、処理日数、飛行中のリスク等についての質問がなされた。リスクについては、落ちることを前提の安全対策をしているとの回答がなされた。
国土地理院からは同院で所有するUAVの状況が報告され、今後は急速な技術革新によりレーザースキャナ搭載型のUAVが普及をしてくるのではないかとの報告がなされた。

(4)今後の活動方針(案)について

事務局から、今後も引き続き、地理空間情報に係る情報や課題の共有を図り、産学官で地理空間情報の効果的な更新及び利活用について意見交換等を行うことが提案され、来年度も協議会を開催することが全体会議にて了承された。

まとめ

地理空間情報産学官中国地区連携協議会は、中国地区における地理空間情報の効果的な活用推進を目的に設置された。この連携協議会により地理空間情報の活用推進のための具体的な動向・施策の情報の共有を図ることができた。
今後さらなる目標達成のため、地理院タイル、地理院地図、UAVなど最新の地理空間情報の活用を測量及びICT分野で活発化させ、産学官それぞれの中で取り組む情報を共有し、地理空間情報の利活用をさらに発展させていくことに取り組んでいく予定であ る。