G空間EXPOシンポジウム-3次元地理空間情報の展望

G空間EXPO2013において、シンポジウム「3次元地理空間情報の展望」を開催します。

本シンポジウムは終了しました。多数のご来場ありがとうございました。開催報告はこちら。
開催日時 11月14日(木) 10:30~12:30
会場   日本科学未来館(東京・お台場)会議室1
実施者  国土地理院
事前登録 不要

概要

自分の今いる位置を屋内外を問わずに常時知ることにより、位置をキーにした様々なサービスを享受することが可能となってくる。そのためには、屋内外をシームレスに測位できる技術開発や、その背景地図となる屋内外シームレスの3次元の地理空間情報が必要となってくる。しかしながら、そのような3次元地理空間情報はまだ普及しておらず、データ作成にも最新技術や莫大な経費が必要となってくる。本シンポジウムでは、3次元地理空間情報に求められる要件、3次元地理空間情報を簡便に作成する手法、屋内外シームレスな測位とサービスを実現する上で必要な仕組み(場所情報コードなど)について、関係各位から話題提供を頂き、3次元地理空間情報がもたらす未来のサービスや利便性、及びそれらを実現するのに必要な3次元地理空間情報のあるべき姿について議論する。

登壇者

有川 正俊 <東京大学空間情報科学研究センター>
石井 真  <測位衛星技術株式会社>
乙井 康成 <国土交通省国土地理院>
高幣 玲児 <株式会社構造計画研究所>
小荒井 衛(総合討論司会) <国土交通省国土地理院>

講演題目・概要・プロフィール

有川 正俊 「人が認識しやすい3次元地理空間情報に関して」

<概要>
現実世界は3次元空間で表現することにより矛盾が少なく表現できる。一方、人間の空間記憶は3次元であろうか。言葉や矢印などのサインは1次元的表現の方が簡単に理解できる。そして、空間記憶も、0次元、1次元、2次元、2.5次元、3次元、4次元、などさまざまなレベルが考えられる。本講演では、実際の応用で必要とされる地理空間情報の次元と品質に関して、データ・インタフェース・記憶の観点から論じる。
<プロフィール>
福岡県出身。1986年 九州大学工学部情報工学科卒業。工学博士。九州大学・京都大学助手、広島市立大学助教授を経て、1999年より東京大学空間情報科学研究センター助教授。現在、教授。
専門は、地図学、情報学、データベース、バーチャルリアリティ。
現在、日本地図学会常任委員長、国際地図学会ユビキタスマッピング委員会委員長。
現在の研究の興味は、人の夢見る力を正しく発揮させる、理想の地図メディアのデザインと実現。趣味は、娘とウォーキング。

石井 真 「シームレス測位におけるIMESの機能と役割」

<概要>
近年、屋内測位について注目が集まっています。背景には、多種のセンサーを搭載したスマートフォンなどの急速な普及があり、そのデバイスの中心としてGPS受信機が機能し、その性能や機能の向上が著しい。屋内外のシームレス測位におけるデバイスの対応状況と日本発の屋内測位技術IMESとの関連を述べ、場所情報コードとの連携についても話題させていただければと思っています。
<プロフィール>
平成10年DXアンテナ入社 GPS事業部にて屋内測位スードライト開発マネジャー業務に従事 平成14年営業権譲渡に伴い、DXアンテナより測位衛星技術株式会社へ転籍。平成18年~現在 取締役営業部長。
これまで国内初の商用ディファレンシャルGPSサービス、携帯電話基地局向けGPSタイミング同期装置システム開発、擬似衛星システムなどの多数のGPS応用プロジェクトに従事。測位衛星技術会社では、屋内GPS測位システムのIMESシステムについて、開発段階からプロジェクトリーダーとして関与。
NPO 高度測位社会基盤研究フォーラム 理事。IMESコンソーシアム 理事。

乙井 康成 「設計図等を活用した3次元地理空間情報の構築とその問題点」

<概要>
地下街等の公共的屋内空間については屋外と同様に利用されており、GISデータ整備を求める声も大きい。屋内空間について、設計図等の既存資料があることから、これを用いてGISデータを整備しようとする動きも見られるが、確立された手法があるとは言い難い。屋内空間のGISデータの整備を推進するため、設計図等からGISデータの試作を行い、データ作成における課題を把握するとともに精度を検証した。この試作で得られた結果を基に効率的なデータ作成方法や注意事項についてまとめる取り組みについて報告する。
<プロフィール>
北海道出身。1989年北海道大学大学院理学研究科修士課程地質学鉱物学専攻修了。同年、建設省国土地理院に入省。国土庁、建設省、環境庁、国土交通省、国際建設技術協会を経て、企画部測量政策調整官、地理調査部環境地理課長等を歴任、現在地理地殻活動研究センター地理情報解析研究室主任研究官。

高幣 玲児 「空間に情報を紐づけるということ-防災・医療・インフラから”今”求められていること-」

<概要>
様々な業界において、何時、何処で、何がどのようにを適確に把握することは大変重要な意味を持っています。今回は防災、医療、インフラストラクチャの現場で情報をシームレスに繋げると何ができるのかを事例を通して空間情報がもつ有効性、今後の期待についてご紹介します。
<プロフィール>
1991年西南学院大学商学部経営学科卒業。同年、(株)構造計画研究所に入社。
これまでに、可視化ビジネス部長、デザイン工学部室長、知識デザイン戦略室ディレクターなどを歴任、2013年10月よりデザイン工学部知識デザイン室長。
これまで、画像処理技術を用いたマーケティング情報取得の分析・研究、災害対策のためSmart Guidewareサービスの企画・開発に従事。現在、遠隔情報管理による設備維持管理・防災避難情報支援の研究を継続中。

総合討論(司会:小荒井衛)

<概要>
4人の登壇者からの話題提供を受けて、3次元地理空間情報がもたらす未来のサービスや利便性、それらを実現するのに必要な3次元地理空間情報のあるべき姿などについて、フロアの皆様方と一緒に、熱く意見交換していきたいと思います。多くの参加者が集まり、まずはこれから何をすべきか、色々なアイデアを皆で持ち寄れればと思っています。
<プロフィール>
東京都出身。1984年 茨城大学理学部地球科学科卒、2009年 茨城大学大学院理工学研究科博士後期課程修了。1986年 建設省国土地理院に入省、建設省、環境庁、科学技術庁勤務を経て、測図部写真測量技術開発室長、企画部地理情報システム推進室長等を歴任、現在地理地殻活動研究センター地理情報解析研究室長。
博士(理学)、技術士(応用理学)、測量士。
専門は、地形学・第四紀学を基にした災害・環境研究、空間情報解析。
地理情報システム学会理事、日本地理学会、日本地質学会、日本第四紀学会、日本地図学会、日本写真測量学会、日本リモートセンシング学会等の会員。

問い合わせ先

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