最終更新日:2016年7月1日

時系列地理情報を用いた盛土造成地の把握・評価

 ここでは、時系列地理情報を宅地耐震化推進事業へ役立てる手法等について紹介します。なお、ここでの成果は、平成19年度~平成21年度に実施された国土交通省総合技術開発プロジェクト「高度な画像処理による減災を目指した国土の監視技術の開発」(減災総プロ)における「地盤の脆弱性把握のための開発」の中で得られたものです。

時系列地理情報を用いた地形改変量の把握

 旧版地形図や過去の空中写真を用いることで、宅地造成地等の改変地における改変前の地形データを得ることができるため、現在の地形データと差分を取ることで地形改変量を求めることができます。丘陵地や山間部を造成した大規模宅地造成地等では、盛土と切土の分布を把握することができ、国土交通省が実施している宅地耐震化推進事業における大規模盛土造成地の変動予測調査に役立てることができます。  具体的な地形改変量の把握手法(改変地形データの作成手法)については、応用地理部が作成した下記手順書にまとめられていますので、そちらをご覧下さい。

  ≫ 「人工改変地形データ抽出のための手順書」

 <参考文献>
 ・小荒井衛・長谷川裕之(2008):宅地防災対策への時系列地理情報の利活用,地学教育と科学運動,vol.58・59合併号,pp.51-58.
 ・星野 実・吉武勝宏・木村幸一(2009):盛土地形データ作成手法の検討.国土地理院時報,第119集,pp.93-100.

盛土の地震時安全性評価支援システム

 時系列地理情報を用いて作成された改変前後の地形データを用いて、盛土の形状を簡易に計測でき、さらにその盛土形状データのみを用いて盛土の地震時の相対的な安全性(滑動崩落が発生する可能性)を評価・支援できるシステムを開発しました。詳細は下記をご覧下さい。

  ≫ 盛土形状計測・相対的滑動崩落発生可能性評価支援システム

問い合わせ先

国土交通省 国土地理院 地理地殻活動研究センター 地理情報解析研究室
 E-mail: gsi-gia+1=gxb.mlit.go.jp (=を@にしてください)