2010年1月12日ハイチ共和国の地震に伴う地殻変動

合成開口レーダー(SAR)解析による地殻変動と断層

作成:2010年1月26日 更新:2010年2月17日

地殻変動の特徴

  1. ハイチ共和国の南部を東西に走るエンリキロ(Enriquillo)断層付近に地殻変動の集中帯が見られます。
  2. 地殻変動が集中する領域(主たる破壊領域)は、首都ポルトープランスから西へ約20~50km離れており、主要な断層破壊はポルトープランスまでは及んでいないと考えられます。
  3. 甚大な被害が報告されているレオガンの周辺で、大きな地殻変動が観測されています。
  4. 陸上に地表地震断層を示唆するような変動は見られません。
  5. 南行軌道の干渉画像では、観測領域の東端から変動の中心に向けて、約70cmほどの衛星-地表間の距離短縮の変動が観測されています。
  6. 北行軌道の干渉画像では、観測領域の西端から約40cmほどの衛星-地表間の距離伸長の変動が見られます。また、北部沿岸では、より大きな変位勾配を示し、70cmを超える距離短縮の変動が観測されています。
  7. 干渉画像を元に推定した矩形断層一様すべり(2枚のセグメントを仮定)の震源断層モデル(暫定)によると、主たる破壊域は全長約35kmで、逆断層成分を含んだ左横ずれのすべり(約5m)が推定されており、西側海域のセグメントでより浅く大きなすべりがあったと考えられます。 ※なお、今後の解析により干渉画像や断層モデルが更新される場合があります。

干渉画像と断層モデル

画像:干渉画像と断層モデル

分析に使用した人工衛星 と センサー

日本の地球観測衛星 「だいち」(ALOS)に搭載された合成開口レーダー(PALSAR)

広報・講演・論文発表

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 室長    飛田 幹男(TOBITA Mikio) 
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