最終更新日:2006年11月17日

人工衛星データを用いた硫黄島の地殻変動の試験的調査の結果について

国土地理院では、地球環境衛星「だいち」(ALOS)に搭載されている合成開口レーダーの観測データを用い、硫黄島(東京都小笠原村)の地殻変動について試験的に調査解析を行いました。その結果を、第105回火山噴火予知連絡会へ報告しました。

結果は次のとおりです。
○ GPS観測点「硫黄島1」付近を基準とし、以下のとおり相対的な変化が検出されました。
 (1)6月16日~8月 1日の間: 特段の変化はありません
 (2)8月1日~11月1日の間: 同島南東部海岸で数cm~10cmの隆起
                   北部中心部で数cmの沈降
○衛星データの活用及び解析手法については、今後更なる検討を進める予定です

なお、硫黄島では、従来から活発な地殻変動が発生しています。最近では2001年9月、10月及び2004年6月に海底噴火や小噴火が発生しています。しかしながら、現在、火山性地震は比較的少ない状況で、火山活動は静穏に経過しています。

【参考】 第105回火山噴火予知連絡会記者発表資料(気象庁)