平成10年4月 伊豆半島東方沖の群発地震活動に伴う地殻変動

 伊豆半島東方沖(伊東市川奈崎沖)では、平成10年4月20日から群発地震活動が継続しました。一連の活動のうち、5月6日現在での最大の地震は5月3日(11時09分)のM5.7であり、その他にも、4月26日には最大M4.7を含むM4クラスの地震が3回、同27日にもM4.5の地震が発生しました。活動の開始から5月6日までの地震回数は8000回を超え、そのうち有感地震も200回近く数えました。
 GPSによる連続観測では、伊東市周辺に配置された電子基準点の基線長に地震活動にに関連したとみられる地殻変動が検出されました。
 小室山と初島を結ぶ基線は、地震活動の震央分布域を横切るような基線ですが、ここでは、地震活動の開始から約9cmの基線の伸びが観測されました。4月25日頃、地震活動が一時的に低調になった時期は基線の変化もあまり見られませんでしたが、26日以降はマグニチュードの大きい地震に伴う変化も含めて、基線に伸びの傾向が見られました。
GPS連続観測による初島・小室山間の距離変化

GPS連続観測点と震源域の位置関係

下図は、静岡清水町の電子基準点を固定した変動ベクトル図です。小室山測点で約7cm、伊東八幡野測点で約8cm南西方向に移動していることが明らかになりました。
伊豆半島東部の水平変動ベクトル図

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