平成9年3月及び5月 鹿児島県北西部の地震活動

 鹿児島県北西部では、3月26日および5月13日にそれぞれM6.3とM6.2の地震が発生しました。
 これらの地震は、北東-南西方向の圧縮の力と北西-南東方向の伸張の力によって引き起こされた横ずれの断層運動によるものと考えられます。
 これらの地震に伴う地殻変動をGPS連続観測で捉えました。

3月26日の地震

 3月26日の地震に伴って、鹿児島大口で西南西へ約2cm動くなど、左横ずれの断層運動と調和的な地殻変動が現れました。
地震に伴う地殻変動(平成9年3月26日)

5月13日の地震

 5月13日の地震に伴って、鹿児島大口や阿久根などで変動がみられました。この地震については、共役な断層(ほぼ直交する二つの断層)が動いた可能性も指摘されており、この結果は今後の調査研究に役立つものと思われます。
地震に伴う地殻変動(平成9年5月13日)

 最近、人工衛星のレーダ画像どうしを干渉させて地殻変動を面的に検出する技術が注目されています。国土地理院では、その技術により3月の地震に伴う地殻変動を検出して、断層運動の実態解明に迫っています。(干渉SARのページへ)。   第124回及び第125回地震予知連絡会(5月19日及び8月11日開催)においても、この地震活動について議論されました(第124回第125回).気象庁や九州大学などの地震観測によって、本震や余震分布のようすが明瞭に描き出されています。
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