「平成15年(2003年)十勝沖地震」に伴う地殻変動

電子基準点(GPS連続観測点)による解析

 9月26日(金)午前4時50分頃発生した「平成15年(2003年)十勝沖地震」(マグニチュード8.0)に伴う地殻変動を解析した結果、広尾町の電子基準点「広尾」が最大約95cm南東方向へ移動し、大樹町の電子基準点「大樹2」が約29cm沈降していることがわかりました。
「平成15年(2003年)十勝沖地震」に伴う水平変動図

「平成15年(2003年)十勝沖地震」に伴う上下変動図

地殻変動から推定した震源断層モデルについて

 震源断層の形状を長方形と考えて推定したところ、断層の向きは、ほぼ北西-南東方向、大きさは、長さ約92km、幅約90kmで、南東から北西に傾き下がる低角の逆断層(傾斜角23度)であることがわかりました。上端部の深さは約16kmで、断層の北端は音別町の南約20kmに位置します。断層の位置は、余震の震源分布ともほぼ一致します。
 推定された断層運動は、北西側が南東側にのり上げる逆断層で、すべり量は約5mです。この地域では1952年にマグニチュード8の地震が発生していますが、今回の断層運動もそのときとほぼ同様のものとなっています。断層の大きさとすべりの量から推定した今回の地震のモーメントマグニチュード(Mw)*の大きさは、約8.0となりました。
「平成15年(2003年)十勝沖地震」断層モデル

* 地震で解放された歪みの大きさから推定した地震の規模を「モーメントマグニチュード」と言います。通常使われるマグニチュードは地震動から推定しています。
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