全国の重力値

日本重力基準網2016(JGSN2016)

 国土地理院では、全国の新たな重力の基準として、2017年 3月15日に「日本重力基準網2016(JGSN2016)」を公開しました。

 重力値は、土地の高さの決定だけでなく、はかりなどの計量機器の校正(※)や地下の活断層調査など、様々な目的で利用されています。国土地理院では、誰もが、いつでも、どこでも正確に重力を測定できるよう、全国に重力点を設置し、基準となる重力値を提供しています。これまでの重力の基準は、国土地理院が1976年に整備した「日本重力基準網1975(JGSN75)」でしたが、公開から40年が経過し、地殻変動の影響などによる現在の重力との乖離や、重力計の性能向上による高精度な重力値への要望の高まりを踏まえ、新たに「日本重力基準網2016(JGSN2016)」を整備しました。

 JGSN2016は、2002年から2016年までに国土地理院が実施した最新の重力測定結果を用いて構築されており、2011年の東北地方太平洋沖地震や2016年の熊本地震に伴う重力変化なども含まれています。JGSN2016の精度は概ね±0.02mGal程度で、これまでより約5倍向上しています。改定に伴う重力値の変化は、最大で地上での重力値の-0.1mGal程度で、これは60kgの体重がヤブ蚊数匹分(約0.006g)軽くなったことに相当します。

 三角点や水準点が位置の基準であるように、重力点が重力の基準として全国に設置されています。JGSN2016は、高精度な絶対重力測定に基づく基準重力点32点と、それらを参照した相対重力測定に基づく一等重力点231点で構成されています。基準重力点及び一等重力点の重力値は、データ・資料等から取得できます。

 現在の日本重力基準網の詳細については、国土地理院時報(2018,131集)「日本重力基準網2016(JGSN2016)の構築」をご覧ください。
 ※ 独立行政法人製品評価技術基盤機構認定センター 重力加速度値の使用に関する技術指針(第2版)

JGSN2016の配点図(2022年10月1日時点)


JGSN75とJGSN2016の差(JGSN2016-JGSN75)