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航空重力測量

航空重力測量を知る

 明治以来、日本の標高は、全国の主要国道沿いに約2km間隔で設置された水準点において、繰り返し水準測量を行うことにより決定されてきました。水準測量は、短距離の比高を非常に精度良く測れる一方で、
 [1]全国の標高の維持管理に多くの時間と費用がかかる
 [2]長距離になるほど誤差が蓄積される
 [3]大規模地震等で大規模な地殻変動が発生しても、復旧に必要な標高を迅速に提供することができない
などの課題がありました。

 これらの課題を解決するため、国土地理院では水準測量による標高管理から、GPS等の衛星測位を活用した標高管理へ移行するための取り組みを開始しました。
 衛星測位で直接計算される高さは、地球を楕円で仮想的に表した時の表面からの高さ(楕円体高)になります。そこから標高を得るためには、その場所の楕円の表面から標高の基準(ジオイド)までの高さ(ジオイド高)が別途必要です。ジオイド高の精度は、算出の素である重力値の品質に左右されますが、現在国内にある重力値は約30年以上前に観測されたものが大半な上、山岳部や沿岸域など観測が困難な地域では空白域が存在します。そこで、空間解像度の高い均質な重力値を効率的に再整備するため、航空機に重力計を搭載し上空から重力を測定する「航空重力測量」プロジェクトを2018年より開始しました。

 JGSN2016に基づく地上重力、海上重力、衛星重力の値に、新たに整備される航空重力測量による重力値を加え、新たに精密重力ジオイドを構築します。重力値から計算される精密重力ジオイドは、2011年東北地方太平洋沖地震時のようは大規模な地殻変動が発生した場合でもほとんど変化せず安定なため、地震発生後でも衛星測位による速やかな標高決定が可能となり、迅速な復旧・復興へ貢献することができます。また、これまでは別に管理されていた経緯度と標高の情報が衛星測位で3次元的に取得することができるようになるため、測量作業の効率化や、3次元測位情報を利用した新たなサービスの創出が期待されます。
 

機内の様子(米国NGS)(左)及び航空重力計TAGS-7(右)


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