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岩国市及び高山市周辺の活断層図を公表

発表日時:2008年10月30日(木)15時00分

-活断層の発見・延長など、最新の知見に基づく詳細な活断層を表示した地図を作成-

 山口県岩国市及び岐阜県高山市周辺の活断層の詳細な位置を表示した「2万5千分の1都市圏活断層図
(岩国、下松、高山東部、高山西部、高山西南部)」計5面を11月1日に公表します。
「2万5千分の1都市圏活断層図」は、ハザードマップ作成をはじめ、地方公共団体が実施する防災・
減災対策や地域の適正な開発・保全などの基礎資料として活用されることが期待されます。
 
 「2万5千分の1都市圏活断層図」は、平成7年1月の阪神・淡路大震災を契機に整備を開始し、地震が発
生した場合に特に被害が甚大になる可能性の高い都市域及びその周辺に、主要な活断層が分布する地域を対
象に調査を進めています。今回の公表により、全国で138 面(約55,000km2)の整備となります。

今回の調査で新たに得られたこと

 

1.都市圏活断層図「岩国」「下松」

(1)岩国(いわくに)断層は、ほぼ北東-南西方向の長さ約15kmの活断層ですが、今回の調査で新たに北東に約4km長く、岩国市の市街地を横切っていることがわかりました (資料-3)
(2)河内(こうち)断層・(さかえ)(だに)断層が、今回の調査で新しく発見されました。各断層とも下松市の市街地の周辺まで延びていることがわかりました。河内(こうち)断層はほぼ北西-南東方向の長さ約4.5kmの左横ずれ変位を伴う活断層で、河谷の屈曲が各所に見られ西端は雁行(がんこう)しています(資料-4)

2.都市圏活断層図「高山東部」「高山西部」「高山西南部」

(1)江名子(えなこ)断層が、今回の調査で新たに東北東に約8km、西南に約2km長いことが周囲の河谷屈曲の状況等から明らかとなりました (資料-5)
(2)(ふじ)()断層が、今回の調査で新しく活断層と認定されました。本図では、ほぼ北東-南西方向に延びた約13kmの活断層で、藤瀬付近で東側上がり西側下がりの縦ずれ変位が見られます (資料-6)
(3)奥住(おくずみ)断層は、宮川(みやがわ)断層と同様に大原(おっぱら)断層の延長と考えられていましたが、今回の調査で宮川(みやがわ)断層の延長上に大原(おっぱら)断層とは異なる長さ4.5kmの活断層が新たに確認されたことから、長さ11kmの独立した活断層として表示しました(資料-7)
※印の用語は資料-2を参照。
 都市圏活断層図は、1部1,000 円(税込み)、 またはセットの「岩国断層帯とその周辺(岩国、下松)」(箱入り2部、解説書付き)2,000 円(税込み)、「高山周辺の活断層(高山東部、高山西部、高山西南部)」(箱入り3部、解説書付き)3,000 円(税込み)で全国の主な書店で入手できます。

参考資料

資料-1 都市圏活断層図位置図


資料-2 都市圏活断層図について

1.作成目的

 政府の地震調査研究推進施策の一環として、内陸地震の長期評価に必要不可欠の情報である活断層の詳細な位置情報、各種ハザードマップ作成のための基礎資料を提供するため、活断層の調査を行い「都市圏活断層図」を作成しています。

  

2.位置付け

 国土地理院が実施してきた活断層の詳細な位置調査は、政府の地震調査研究推進本部により平成9 年8 月に策定された「地震に関する基盤的調査観測計画」及び科学技術・学術審議会により平成20 年7 月に建議された「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画の推進について」において調査の必要性が位置付けられています。

  

3.活断層の定義と図の主な内容

 この図における「活断層」とは、最近数十万年間に、約千年から数万年の間隔で繰り返し活動してきた跡が地形に明瞭に表れており、今後も活動を繰り返すと考えられるものをいいます。このうち、風雨による侵食や堆積、また開発の影響などで活断層の位置を明確に表示できない区間は破線で、活動の跡が土砂の下に埋もれてしまっている区間は、点線で示しています。
 また、活断層の位置のほか、活断層の評価に関連する段丘地形・沖積低地・地すべり地形などの第四紀後期(数十万年前から現在)に形成された主な地形を合わせて表示していますので、活断層周辺の地盤状況の把握や、活断層の活動によって地すべりが再活動する可能性のある地域の推定など、防災に役立つ情報を読みとることができます。

  

4.調査方法とこの図から把握できることの限界

 この調査は、活断層研究者が空中写真を用いて、空中写真判読(図1)により行ったもので、活断層の詳細な位置を2万5千分の1 地形図上にまとめたものです。また、既存の調査結果も参考にしています。
 この調査では、それぞれの活断層が過去にいつ動いたのかは調べていません。従って、それぞれの活断層が次にいつ動くか、言い換えれば、この次地震が起こるのはいつなのかについては、この図からはわかりません。一般に、活断層が過去にいつ動いたかは、活断層が通っている位置の地面を掘り下げて調査することによってある程度調べることができます。

  

5.未知の活断層の可能性

 都市圏活断層図で緑色で示されている地域(扇状地、沖積低地、または埋立地・干拓地)は、川が運んできた土砂などによって最近数千年間に形成された土地です。この地域では今回の調査で確認できなかった未知の活断層が埋もれている可能性も残されています。

  

6.図の体裁

 活断層図の縮尺は2 万5 千分の1 で、1枚に描かれている範囲は、横長図幅の場合は東西約20~23km(緯度によって異なります)、南北約18kmで、縦長図幅の場合は東西約17~19km(緯度によって異なります)、南北約26kmで、国土地理院刊行の2 万5 千分の1 地形図4 枚分に相当し、四六判(788mm×1091mm)の紙に印刷されています。色数は、もとの地形図を1 色(灰色)にし、その上に活断層等を2 色(赤・黒)、地形分類等を2色(橙・緑)を加えた計5 色です。

  

7.これまでの公表地区と発行面数

 これまでに、三大都市圏、政令指定都市、県庁所在都市及びその周辺について133 面(約53,000km2)を公表しており、今回公表の5 面を加えると138 面(約55,000km2になります。
 また、活断層の概要、活断層図のサンプル、詳細な整備範囲などは、国土地理院のホームページ
http://www1.gsi.go.jp/geowww/bousai/menu.html)でご覧になれます。

  

横ずれ図2

 活断層の相対的な水平方向の変位の向き。断層線に向かって手前側に立って向こう側が右にずれれば右横ずれ断層、左にずれれば左横ずれ断層。本図では変位の向きを赤い矢印で表示。

縦ずれ図2

 活断層の上下方向の変位の向き。本図では、相対的に低下している側に短線を表示。

活褶曲

 現在も続いている地殻変動により生じている波状地形。凸部また凹部を連ねた線で図示。

傾動

 地形面が、現在も続いている地殻変動によって傾いている場所。最大傾斜方向で図示。

雁行

 複数の断層が片仮名の「ミ」の字、あるいは「杉」の字のつくりの形に配列すること。前者を右雁行、後者を左雁行と呼ぶ。 

 

問い合わせ先

305-0811 茨城県つくば市北郷1

地理調査部防災地理課  課長補佐 長谷川 学 電話029-864-6921(直通)

               技術専門員 星野   実 電話029-864-6267(直通)  

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