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「触地図原稿作成システム」を国土地理院のホームページで試験公開

はじめに
 触地図とは、視覚障害者の中でも特に全盲かそれに近い人のための地図で、「触知地図」や「触覚地図」とも呼ばれています。触地図は、立体的な記号や点字を使用し、視覚の代わりに触覚により理解できるように作成されています。触覚において視覚の視野に当たるのは、指先の広さでしかありません。そのため、一般の地図と触地図には表示できる地図情報量に大きな違いがあります。また、使用する記号はできる限り単純な形状にするとともに、十分な空間を空けた配置にする必要があります。

国土地理院の取り組み
 国土地理院では、平成5年度から視覚障害者も健常者(晴眼者)と同じように身の回りの地理を知ることができる触地図を作成するためのソフトウェアの開発に取り組んできました。平成9年には数値地図2500(空間データ基盤)の地図データを利用した触地図作成支援システム(MS-DOS版)を開発しました。しかしながらこのシステムは、数値地図2500が作成されている地域(主に都市計画区域)に限定されていました。

 ところで、国土地理院では、平成15年7月より「電子国土Webシステム」を通じて全国の1/25,000レベルの地図データ(電子国土基盤情報)をインターネット上で公開しています。そこで、この電子国土基盤情報を利用して、全国どの地域でも触地図原稿を作成することが可能な「触地図原稿作成システム(Windows版)」を新たに開発し、9月1日から国土地理院のウェブサイト(http://zgate.gsi.go.jp/shokuchizu/)により試験公開しています。
触地図作成の流れ
触地図原稿作成システムの概要
1)全国どの地域でも触地図原稿が作成できます
 触地図原稿作成システム(以下「触地図システム」という。) は「電子国土Webシステム」を通じて公開している日本全国が整備されている1/25,000レベルの地図データを使用するため、どの地域でも触地図原稿(触地図の縮尺は1/2,500を基本とし1/1,000から1/10,000までの範囲の12種類から選択)が作成できます。

2)基本となる地理情報が簡単に自動生成できます
 触地図システムは、健常者(晴眼者)が視覚障害者のために触地図原稿を作成することを目的として開発したものです。「電子国土Webシステム」により配信される1/25,000レベルの地図データ(ベクトルデータ)から、利用者が必要とする情報(道路や鉄道ならびに公共施設など31種類)の取捨選択ができ、数秒で触地図記号に自動生成できます。

3)点字による説明注記が簡単に追加できます
 視覚障害者の要望に応じて音声信号、バス停留所、タクシー乗り場などの情報(36種類)を付加入力できるとともに、点字による説明注記(カナ入力などによる点字変換)が可能なので、個々の視覚障害者の要望に応じたオリジナルな触地図原稿を作成することができます。

4)触地図システムから触地図が直接作成できるわけではありません
 プリンタで印刷した原稿は、立体コピーシステムにより立体化(触地図作成)することを前提としているので、触地図システムから触地図が直接作成できるわけではありません。

おわりに
 今回試験公開した「触地図原稿作成システム」は、触地図や点字に関して専門知識がなくても触地図の基となる触地図原稿の作成が可能です。しかし、視覚障害者が持つ障害の程度、障害に至った経緯は様々であり、触地図に対する要望や利用の仕方もそれぞれ違います。また、視覚障害者やボランティア団体のニーズも様々です。
 国土地理院は、視覚障害者の方が本当に利用しやすい触地図にするためには、これからのソフト改良が大切と考えています。今後も日本の全ての人々が最新の地理情報をあまねくに享受できるよう研究開発を進めていきます。

触地図原稿作成システム作業工程
(地理情報部)


国土地理院広報 2006年10月

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