国土地理院電子基準点観測データ(GPSデータ)の活用による気象庁メソ数値予報の改善について

~水蒸気データをとりこむことにより、予報精度が向上します~

発表日時:2009年10月27日(火)14時00分

気象庁は平成21年10月28日より、気象庁メソ数値予報モデル(MSM)の初期値を作成するメソ解析において、国土地理院が運用する電子基準点の観測データ(GPSデータ)から得られる水蒸気データの利用を開始します。これによって、MSMの初期値の水蒸気量の精度が向上し、降水の予報の精度が改善されます。
 気象庁メソ数値予報モデル(MSM)の予報結果は、気象警報・注意報などの防災気象情報を発表する際の基礎資料などとして用いています。気象庁は平成21年10月28日より、MSMの予報初期値を作成するメソ解析において、国土地理院が全国約1200地点で運用する電子基準点の観測データ(GPSデータ)から算出される水蒸気データの利用を開始します。
 GPS衛星から出される電波が地上のGPS受信装置に到達するまでの時間は、大気中に含まれる水蒸気の量が多くなると遅れるという性質があります。受信した複数のGPS衛星の電波の遅れを組み合わせることによって、GPS受信装置の真上にある水蒸気の総量(可降水量)を得ることができます。
 MSMの初期値にこの水蒸気データを取り込むことによって、初期値としての水蒸気量を詳細にあらわすことができ、MSMの降水の予報精度を向上させることができます(別紙)。

本件に関する問い合わせ

気象庁予報部数値予報課 藤田 
 電話 03-3212-8341(内線3302)

電子基準点に関する問い合わせ

国土地理院測地観測センター 衛星測地課 飯塚
 電話 029-864-6258(直通)