令和元年10月の地殻変動
発表日時:2019年11月11日(月)16時00分
全国の地殻変動概況
別紙1~7は、国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた2019年9月下旬から2019年10月下旬までの1か月間の地殻変動を表したものです。東日本の広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
火山周辺では、硫黄島において大きな地殻変動が見られました。
火山周辺では、硫黄島において大きな地殻変動が見られました。
- 別紙1 全国 (PDF形式:557KB)
- 別紙2 北海道地方 (PDF形式:176KB)
- 別紙3 東北地方 (PDF形式:197KB)
- 別紙4 関東・中部地方 (PDF形式:281KB)
- 別紙5 近畿・中国・四国地方 (PDF形式:624KB)
- 別紙6 九州地方 (PDF形式:411KB)
- 別紙7 沖縄地方 (PDF形式:149KB)
トピックス
- 2018年春頃から九州北部で、2018年秋頃から四国西部で、それまでの傾向とは異なる地殻変動が検出されていますが、6月頃から停滞しているように見えます。この変動は、日向灘北部及び豊後水道周辺のフィリピン海プレートと陸のプレートの境界深部における長期的ゆっくりすべり(スロースリップ現象)によるものと推定されます。(別紙8)
- 草津白根山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙9)
- 浅間山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙10)
- 箱根山周辺では、箱根山を挟む基線で2019年3月中旬頃から見られている伸びの傾向は、10月頃から停滞しています。(別紙11)
- 硫黄島では、GNSS観測によると、10月10日から14日にかけて、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」が16cm以上沈降し、「硫黄島1」が14cm程度北西向き、「M硫黄島A」が6cm程度東北東向き、「硫黄島2」が1cm程度北北東向きに変動しました。なお、こうした変動は鈍化傾向にあります。また、だいち2号によるSAR干渉解析結果によると、硫黄島東部では、隆起とみられる大きな変動が見られ、一方、元山付近では、収縮とみられる変動が見られます。(別紙12)
- 阿蘇山周辺では、2019年4月上旬から見られている阿蘇山を取り囲む基線でのわずかな伸びの傾向は、5月下旬頃から鈍化しています。(別紙13)
- 桜島周辺では、2019年10月頃から島内の基線で、わずかな伸びが見られます。(別紙14)
- 口永良部島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙15)
補足説明
- 全国の1年間の地殻変動(2018年10月下旬から2019年10月下旬まで、別紙16)からは、以下のような傾向が見られます。
- 東北から関東・中部までの広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
- 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
- その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。
別紙一覧
- 別紙8 九州北部・四国西部での非定常的な地殻変動 (PDF形式:1.10MB)
- 別紙9 草津白根山周辺の地殻変動 (PDF形式:445KB)
- 別紙10 浅間山周辺の地殻変動 (PDF形式:596KB)
- 別紙11 箱根山周辺の地殻変動 (PDF形式:325KB)
- 別紙12 硫黄島周辺の地殻変動 (PDF形式:1.4MB)
- 別紙13 阿蘇山周辺の地殻変動 (PDF形式:227KB)
- 別紙14 桜島周辺の地殻変動 (PDF形式:606KB)
- 別紙15 口永良部島周辺の地殻変動 (PDF形式:253KB)
- 別紙16 全国の地殻変動(水平)-1年間- (PDF形式:560KB)
問い合わせ先
国土交通省国土地理院 〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番 測地観測センター 地殻監視課長 真野 宏邦 (029-864-5971) 地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室長 矢来 博司 (029-864-6925) 測地観測センター 地震調査官 黒石 裕樹 (029-864-4825) FAX 029-864-8381