平成30年9月の地殻変動

発表日時:2018年10月9日(月)16時00分

全国の地殻変動概況

 別紙1~7は、国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた2018年8月下旬から2018年9月下旬までの1か月間の地殻変動を表したものです。平成30年北海道胆振東部地震に伴う地殻変動が見られます。また、東日本の広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
 火山周辺では、硫黄島において継続的な地殻変動が見られます。

トピックス

  • 9月6日に発生した平成30年北海道胆振東部地震(M6.7 最大震度7)に伴い、 電子基準点「門別」で南方向へ約5cm、電子基準点「苫小牧」で東方向に約4cm移動したほか、複数の電子基準点で地殻変動が観測されました。なお、電子基準点「門別」及び「厚真」については、電子基準点周辺の局所的な変動が含まれている可能性があります。(別紙8)
  • 吾妻山周辺では、だいち2号によるSAR干渉解析結果によると、大穴火口の北西側で隆起とみられる衛星に近づく変動が見られます。また、GNSS観測によると2018年5月頃から一部の基線で山体の膨張を示すわずかな地殻変動が見られています。(別紙9)
  • 草津白根山周辺では、2018年4月頃から見られた、「草津」-「長野栄」の基線での伸びは2018年7月頃から鈍化しています。(別紙10)
  • 硫黄島では、GNSS観測によると2018年9月8日から「硫黄島1」が12cm程度、「M硫黄島A」が10cm程度北向きに変動し、「硫黄島2」は南向きに10cm程度変動しました。また、9月8日から9日にかけて、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」が10cm程度隆起したあと沈降しました。なお、こうした急激な変動は鈍化しました。
    SAR干渉解析結果によると、元山付近で周囲と比べて衛星から遠ざかる変動が見られます。また、翁浜付近で衛星に近づく変動が、摺鉢山付近で衛星から遠ざかる変動が見られます。さらに、阿蘇台断層に沿って変動が見られます。(別紙11)
  • 霧島山周辺では、霧島山を挟む基線で2018年7月頃から伸びの傾向が継続しています。(別紙12)
  • 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む基線での伸びは停滞しています。桜島島内は2018年3月頃から伸びの傾向が鈍化していましたが、5月頃から停滞しています。(別紙13)
  • 口永良部島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙14)

補足説明

  • 全国の1年間の地殻変動(2017年9月下旬から2018年9月下旬まで、別紙15)からは、以下のような傾向が見られます。
    • 東北から関東・中部までの広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    • 平成30年北海道胆振東部地震に伴う地殻変動が見られます。
    • 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    • その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。

別紙一覧

問い合わせ先

国土交通省国土地理院
〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
測地観測センター      地殻監視課長    真野 宏邦    (029-864-5971)
測地観測センター      地震調査官     黒石 裕樹    (029-864-4825)
地理地殻活動研究センター  地殻変動研究室長  矢来 博司    (029-864-6925)
                               FAX 029-864-8381

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、以下のページからダウンロードしてください。