平成26年8月の地殻変動について
発表日時:平成26年9月8日(月)16時00分
全国の地殻変動概況
別紙1~7は、国土地理院が全国に展開しているGNSS連続観測網の観測結果から求めた2014年7月下旬から2014年8月下旬までの1ヶ月間の地殻変動を表したものです。平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が東日本の広い範囲で見られます。
この期間に発生した地震に伴う地殻変動は見られませんでしたが、火山周辺では、硫黄島において継続的な地殻変動が見られます。
トピックス
- 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(M9.0、最大震度7)後の余効変動は、東日本の広い範囲で継続していますが、その変動速度は小さくなってきています。(別紙8)
- 草津白根山周辺では、湯釜付近の膨張を示す地殻変動が見られます。(別紙9)
- 硫黄島内の「硫黄島1」、「M硫黄島」では2012年4月下旬に、通常より大きな隆起を観測しました。その後、沈降・隆起・沈降・2014年1月頃から停滞を経て、2月下旬頃から隆起の傾向が見られます。「硫黄島2」では南向きの変動が見られます。(別紙10)
- 霧島山周辺では、「えびの」-「牧園」、「牧園」-「都城2」の基線で、2011年12月以降わずかな縮みの傾向が見られていましたが、「えびの」-「牧園」基線で、2013年12月頃から伸びの傾向が見られます。(別紙11)
- 桜島島内の基線では、2013年2月頃から見られていた伸びの傾向が同年7月頃から縮みの傾向に転じていましたが、2014年2月頃から伸びの傾向が見られます。鹿児島(錦江)湾を挟む一部の基線で、長期的な伸びの傾向が続いていましたが、2013年6月頃から停滞気味です。(別紙12)
補足説明
- 全国の1年間の地殻変動(2013年8月下旬から2014年8月下旬まで、別紙13)からは、以下のような傾向が見られます。
- 北海道から中日本までの広い範囲で、東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
- 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
- その他の地域では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。
別紙一覧
- 別紙8 東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動
- 8-1 地震後の地殻変動(水平)-1ヶ月- [PDF形式:246KB]
- 8-2 地震後の地殻変動(水平)-累積- [PDF形式:250KB]
- 8-3 地震後の地殻変動(上下)-1ヶ月- [PDF形式:233KB]
- 8-4 地震後の地殻変動(上下)-累積- [PDF形式:239KB]
- 8-5 地震後の地殻変動(時系列) [PDF形式:819KB]
- 8-6 地震前後の地殻変動(成分変位と速度グラフ) [PDF形式:1050KB]
- 別紙9 草津白根山周辺の地殻変動 [PDF形式:402KB]
- 別紙10 硫黄島周辺の地殻変動 [PDF形式:520KB]
- 別紙11 霧島山周辺の地殻変動 [PDF形式:554KB]
- 別紙12 桜島周辺の地殻変動 [PDF形式:328KB]
- 別紙13 全国の地殻変動(水平)-1年間- [PDF形式:530KB]
問い合わせ先
国土交通省国土地理院 〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番 地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室長 矢来 博司 (029-864-6925) 測地観測センター 地殻監視課長 木暮 弘幸 (029-864-5971) 測地観測センター 地震調査官 宮川 康平 (029-864-4825)