平成19年3月~4月の地殻変動について
発表日時:2007年5月8日(火)16時00分
全国の地殻変動概況
別紙1~7は、国土地理院が全国に展開しているGPS連続観測網の観測結果から求めた3月中旬から4月中旬までの1ヶ月間の地殻変動を表したものです。
能登半島地震における地殻変動が見られます。また、硫黄島では、南東部の大きな隆起などの地殻変動が見られます(トピックス参照)。
その他の地域では特に目立った変動は見られません。
トピックス
- 3月25日に発生した平成19年(2007年)能登半島地震(マグニチュード6.9)に伴う地殻変動を、陸域観測技術衛星「だいち」で観測した合成開口レーダーデータの干渉解析により、詳細に把握しました。また、これをもとに断層面上のすべり分布を推定しました。 (別紙8・9[PDF形式:513KB])
- 伊豆大島では、島内の観測点を結ぶ基線で、2006年8月頃から縮みの傾向が続いていましたが、2007年3月以降、小さな伸びが観測されています。 (別紙10・11[PDF形式:912KB])
- 4月15日に発生した三重県中部の地震(マグニチュード5.4)では、地震に伴う地殻変動と見られるような顕著な変化は検出されませんでした。 (別紙12[PDF形式:162KB])
- 硫黄島南東部に設置された電子基準点「硫黄島1」は、平成18年8月頃に長期的な沈降から隆起に転じた後、11月頃から12月末まで隆起速度が加速しました。1月に入りやや減速しましたが、隆起傾向は継続しています。また、島の南西端に設置された電子基準点「硫黄島2」の南方向の地殻変動も平成18年11月以降、同様の経過をたどっています。 (別紙13[PDF形式:297KB])
- 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む基線で長期的な伸びの傾向が見られます。 (別紙15[PDF形式:574KB])
なお、島内の地殻変動監視を強化するため、GPS機動連続観測点「M硫黄島」を島内に4月17日に設置し観測を開始しました。
(別紙14[PDF形式:158KB])
問い合わせ先
国土地理院 〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番 測地観測センター 地震調査官 中川 弘之 (029-864-4825) 地理地殻活動研究センター 地理地殻活動総括研究官 宇根 寛 (029-864-2477) 地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室長 飛田 幹男 (029-864-6925)
補足説明
- 全国の1年間の地殻変動(平成18年4月中旬から平成19年4月中旬まで、別紙16)[PDF形式:574KB]
- 北海道地方では、平成15年(2003年)十勝沖地震後の余効変動の影響が見られます。
- 伊豆半島東部では、平成18年4月中旬から5月初旬にかけての伊豆半島東方沖の地震活動に伴う地殻変動が見られます。
- 能登半島では、平成19年(2007年)能登半島地震に伴う地殻変動が見られます。
- 硫黄島の変動ベクトルは、島内の地殻変動を表しています。
- その他の地方では、プレート運動による定常的な変動が見られます。