「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震」の震源断層モデルを推定

発表日時:2007年07月26日(木) 16時00分

 国土地理院(院長 藤本 貴也(ふじもと たかや))は、電子基準点による地殻変動観測(7月19日公表)、緊急の水準測量、緊急現地調査、陸域観測技術衛星「だいち」(宇宙航空研究開発機構:JAXA)の合成開口レーダーの干渉解析(7月20日公表)、本震の震源位置などから、震源断層モデルを推定しました。

 断層の形状を長方形と考えて、震源断層モデルを推定したところ、隣り合う2枚の断層のすべりによって、今回観測された地殻変動を説明できると考えられます。
 このうちの1枚は、南西側にあるもので、断層の向きはほぼ北東-南西、大きさは長さ約12km、幅約10kmであり、南東から北西に傾き下がる逆断層(傾斜角約44度)となりました。この上端部の深さは約1.2km、すべり量は約1.5mです。
 もう1枚は、北東側にあるもので、断層の向きはほぼ北東-南西、大きさは長さ約10km、幅約10kmであり、南東から北西に傾き下がるわずかな横ずれを含む逆断層(傾斜角約42度)となりました。この上端部の深さは約5.2km、すべり量は約1.4mです。

 これらは北西側の地塊が南東側にのり上げるような断層運動です。この断層運動から導かれるモーメントマグニチュードは約6.6と計算されました。

 なお、この結果は、8月8日開催予定の地震調査委員会へ報告する予定であり、地震解析や津波解析など他の解析結果と併せた総合的な検討がなされることになっています。

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国土地理院地理 地殻活動研究センター
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 地理地殻活動総括研究官   宇根 寛  029-864-2477(直通)

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