電子基準点(GPS連続観測点)観測では9月1日の浅間山噴火に伴う短期的な地殻変動は検出されず

発表日時:2004年9月2日(木)16時30分

概要

 国土地理院(院長 渡邊 茂樹(わたなべしげき))は、電子基準点(GPS連続観測点)により連続的な地殻変動観測を実施していますが、平成16(2004)年9月1日20時頃の浅間山の噴火に伴うと見られる地殻変動は検出されませんでした。

 地下で大量のマグマが移動する場合は、多くの場合、地面の伸びや隆起などの地殻変動を伴いますが、今回は、短期的な地殻変動が検出されなかったことから、9月1日の噴火に直接関与したマグマや物質の量は多くなかったと推定されます。

 この地域では、過去にも繰り返し火山性の地震活動が発生し、それに伴う距離の変化がGPSによって捉えられています。1996年以降、何度か起きた浅間山山頂付近の地震活動の活発化では、いずれの場合も浅間山をまたぐ「嬬恋」と「東部」との距離が伸びました。地殻変動の空間分布から、浅間山山頂付近の地下にマグマが注入されたことが推定されています。

 2004年の4月頃から現在まで、類似の伸びが観測され、中期的には、最近、マグマの活動度が上がり始めていたと考えられます。また、南山腹の「S浅間山1」の地殻変動は、2004年7月末頃にマグマの活動があったことを示唆しています。

 国土地理院では、火山活動の推移を見るため、この地域の地殻変動観測を強化することにしています。

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