地理院ホーム  > 報道発表資料(2003年)  > 2003年5月26日宮城県沖の地震に伴う崩壊等地形変動調査について  > 【別紙 2】  

【別紙 2】

1.宮城県築館町の斜面崩壊(高速土砂流動)
  築館町役場より西へ約750mの館下地区で幅約40m、長さ約200mに渡り土砂が道路下の水田まで達する斜面崩壊が発生した。
  地質は火砕流堆積物から成り、旧谷を埋めて昭和45年に地形改変が行われ、同質の盛土がなされた。源頭部の直上には古い地すべり状の崖(比高70cm)が幅約20mに渡って観察された。今回の斜面崩壊は地下水を含む緩やかな傾斜地で、地震動で盛土の地盤内に液状化が生じ高速土砂流動を起こしたものと考えられる(資料1-1資料1-2)。

2.岩手県石鳥谷町の新幹線橋脚損傷
  東北新幹線盛岡〜水沢江刺間で、石鳥谷町市街から南南東に約5kmの大明神地区の調査を行った。地形図や空中写真によると東から流れる稗貫川の緩扇状地が段丘化し4段に分かれている。被災現場は、この中の最も高い部分にあたるため、沖積層などの軟弱地盤による被害ではなく、別の要因によるものと考えられる(資料2)。

3.岩手県大船渡港岸壁の液状化
  大船渡駅より南東約500mの大船渡港野々田埠頭で、岸壁周辺の液状化による地形変動調査を行った。野々田埠頭は昭和63年と平成元年の2回に分けて海側に岸壁が建設された。今回の災害では、この埋立ての継ぎ目部分で約8cmの開口が生じた。また、その部分から礫(最大礫径約10cm)混じりの噴砂がみられた。これらの砂礫は、岸壁の建設時に埋立てに使用したものとが噴出したと考えられる。また、西側の埋立中心部が沈下し、東側との段差(7〜23cm)が確認された(資料3-1資料3-2)。

4.宮城県気仙沼市の落石
  気仙沼市魚浜町気仙沼港の海岸から約200m西方の崖で落石が発生した。一部吹き付けなどの落石防止対策がなされていたが、それ以外では対策工はなく、高さ約18mの崖の上部から巨岩が落下した。地質は石灰岩で崖下には最大縦約1.5m、横2.5mの落石があった。崖面にはまだ多くの割れ目が入った岩盤がみられ落石の危険があると考えられる(資料4)。

5.宮城県石巻市の落石
  石巻市牧山トンネル出口から約300m東にあるアパートの裏の約30mの高さの崖で落石が発生した。崖には右側3分の1程度に落石防止のネットが覆われていた。また、ネット間には約1mの隙間があった。今回の落石はネットを破ったものやネットの隙間から落ちたものと考えられる。地質は中生代三畳紀中期の伊里前層の頁(けつ)岩、砂岩、粘板岩で、崖下からの観察では高さ約30mの崖で5つの層に分かれ、頁岩層には板状節理が生じたり浮石が見られた。今後も落石の危険があると考えられる(資料5)。


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