2003年5月26日宮城県沖の地震に伴う地殻変動について

発表日時:2003年05月27日(火) 11時30分

 国土地理院(院長 星埜 由尚(ほしのよしひさ))は、地殻変動を監視するために電子基準点(GPS連続観測点)を全国に展開しています。
 5月26日(月)18時24分頃に宮城県沖で発生した地震(マグニチュード7.0)の震源域周辺の電子基準点で観測されたデータを解析した結果(27日6時までのデータ)、震源断層の運動を示す最大約1.5cmの水平地殻変動を確認しました。
 さらに、地殻変動データからこの地震を発生させた断層の位置やすべりの大きさを求めました。
  震源断層の形状を長方形と仮定して推定したところ、ほぼ北北東-南南西方向、大きさは水平方向約20km、上下方向約20kmで、東から西の方向に傾き下がるほぼ垂直な断層(傾斜角67度)であることがわかりました。上端の深さは約52kmで、断層の北端は気仙沼市の東方約20kmの海底の地下に位置します。断層の位置は、余震の震源分布ともほぼ一致します。
 推定された断層運動のすべり量は約2.1mです。この地域は、太平洋プレートが陸のプレートに西向きに潜りこんでいるところで、今回は潜りこんだ太平洋プレートの内部で断層運動が起きたことが推定されます。断層の大きさとすべりの量から推定したモーメントマグニチュード(Mw)の大きさは、約7.0となりました。

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