有珠山の地殻変動(13)

発表日時:2000年04月09日(日) 17時00分

4月9日9時までの観測結果 依然距離変化の停滞がつづく 距離の変化と同時進行した虻田と壮瞥の沈降が明らかに

 建設省国土地理院(院長 城処求行)は、全国の947地点に電子基準点を設置してGPS連続観測を行っていますが、火山活動が活発化している有珠山の山体変化を把握するため、有珠山周辺の電子基準点でGPS連続観測を行っています。
 6時間解析の結果、「伊達」-「壮瞥」間の距離変化は、伸びから停滞を経て緩やかな縮みへ傾向が変化したように見えていましたが、4月3日からは停滞しているように見えます。また、「壮瞥」-「虻田」および「伊達」-「虻田」間は噴火の前の29日に伸びがピークに達した後、縮みの傾向でしたが、4月3日からは停滞しているように見えます。
 なお、より精度の高い24時間解析の結果から、「虻田」および「洞爺」については、3月29日から4月3日頃にかけて、水平位置の変化だけでなく、それぞれ5cmと3cmの沈降が発生していたことが明らかになりました。この沈降は、マグマが地下深部から上昇したことに伴う地殻変動であると考えられます。

電子基準点(GPS連続観測点)間の距離

  1. 「伊達」~「壮瞥」 約10km
  2. 「壮瞥」~「虻田」 約11km
  3. 「伊達」~「虻田」 約12km

添付資料


GPS連続観測の観測結果は、以下の国土地理院のホームページ(有珠山のぺージ)で公表しています。
  http://www.gsi.go.jp/WNEW/LATEST/USU/index.htm

問い合わせ先

  建設省国土地理院
   〒305-0811  茨城県つくば市北郷1番

    地理地殻活動研究センター
      地殻変動研究室長  村上 亮   (直通)0298-64-6925

    測地観測センター
      地震調査官     今給黎 哲郎 (直通)0298-64-4825