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GPSで地形図上の位置を確認するときの注意

 測量法及び水路業務法の一部を改正する法律(平成13年法律第53号)が平成14年4月に施行され,地球上の位置を表す経緯度は世界測地系で表示することとなりました。

 今回の測量法改正以前には,国土地理院の20万分の1地勢図,5万分の1地形図及び2万5千分の1地形図などの地図は日本測地系の経緯度で表示して刊行していましたが,改正測量法の施行後は,図郭の四隅に世界測地系の経緯度を表示した地図を刊行しています。

 世界測地系で表示している場合は,図郭枠外の凡例の位置に,5万分の1及び2万5千分の1地形図では,茶色の経緯度数値は世界測地系によると表示してあります。20万分の1地勢図では,赤色の経緯度数値は世界測地系によると表示してあります。(日本測地系での経緯度の値は,これまで通り黒色で表示しています。)

 したがって,当分の間は,国土地理院の地図には,世界測地系で経緯度が表示された新しい地図と,日本測地系で経緯度が表示された従来の地図とが混在することになります。

 GPSで現在地の経緯度を計測するときには,GPS受信機が表示している経緯度の数値が世界測地系・日本測地系のいずれに設定されているか注意が必要です。

 特に,山岳地域などにおいては付近に目印となるような対象物がない場合が多く,GPS受信機の使い方を間違うと現地で混乱するおそれがあります。GPSが表示している経緯度で位置を確認する場合や,地図上の経緯度を読み取り現在地を確認する場合には,GPSと地図のそれぞれが表示している経緯度が,世界測地系・日本測地系のどちらで表示されているかを確認することが必要です。



【地図上で経緯度を確認する場合の例】

(地図は実際の縮尺とは異なります)

下記の地図上でで表示されている標高665mの三角点の経緯度は

世界測地系で表示している地図または世界測地系に設定しているGPSから読みとって求めた場合
北緯35゜43'37"、東経137゜02'14"となります。

日本測地系で表示している地図または日本測地系に設定しているGPSから読みとって求めた場合
北緯35゜43'26"、東経137゜02'25"となります。

GPSの表示がWGS84の場合は世界測地系のことで、tokyo(トウキョウ)の場合は日本測地系のことです。

国土地理院1/20万地勢図「飯田」→1/2.5万地形図「沢北西」の一部分

 
 
北緯 35゜43'26"
東経137゜02'25"
で示される位置
 
北緯 35゜43'37"
東経137゜02'14"
で示される位置


世界測地系に設定しているGPSで現在位置の経緯度を求めた場合

 世界測地系で表示している地図の上で現在位置を確認する場合は、正しい位置が判明します。

 日本測地系で表示している地図の上で現在位置を確認する場合は、正しい位置は判明しません。

(例)上の地図における三角点の位置
世界測地系に設定しているGPSを用いて求めた現地の経緯度は、北緯35゜43'37"、東経137゜02'14"です。
日本測地系で表示している地図を用いて、この経緯度の場所を確認すると、実際よりも北西の斜面上にいるように錯覚します。

日本測地系に設定しているGPSで現在位置の経緯度を求めた場合

 日本測地系で表示している地図の上で現在位置を確認する場合は、正しい位置が判明します。

 世界測地系で表示している地図の上で現在位置を確認する場合は、正しい位置は判明しません。

(例)上の地図における三角点の位置
日本測地系に設定しているGPSを用いて求めた現地の経緯度は、北緯35゜43'26"、東経137゜02'25"です。
世界測地系で表示している地図を用いて、この値が示す場所を確認すると、実際よりも南東のこぶの上にいるように錯覚します。

このように、地図の表示とGPSの設定については十分な注意が必要です。

下表は、以上のことをまとめたものです。
地図とGPSを使って、現在位置を地図上で確認する場合は、正しい組み合わせでなければ
正しい位置がわからないことがありますので、十分に注意してください。

 

GPSの設定が世界測地系

GPSの設定が日本測地系

地図が世界測地系

○ 正しい位置がわかります

× 地図上では実際より南東にずれた
位置にいるように錯覚します

地図が日本測地系

× 地図上では実際より北西にずれた
位置にいるように錯覚します
○ 正しい位置がわかります


<必ず注意すべきこと>

  • GPSの設定に使用する測地系は、地図の表示に使用されているものと同じもの(世界測地系でも日本測地系でも良い)でなければなりません。
  • もし、GPSの設定に使用する測地系が、地図の表示に使用されているものと異なる場合には、約400mも間違った場所にいるように錯覚してしまうおそれがあります。

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