15. その他の動向

平成13年
 6月28日    

 政府は「有珠山噴火災害復旧・復興対策会議」を設置することとし、あわせて、「有珠山噴火非常災害対策本部」の廃止を決定した。同日「国土交通省有珠山火山噴火非常災害対策本部」の廃止を決定した。
 6月20日      避難指示の区域が金比羅火口の周辺200m程度の範囲まで縮小し、避難指示が解除され、避難指示対象世帯が解消された。
 5月28日      火山噴火予知連絡会は「火山活動が低下し、マグマの供給は終息したが、小規模な噴出を伴う活動が限られた地域で継続している」との見解を発表するとともに、「火山噴火予知連絡会有珠山部会」の廃止を決定した。
平成12年
 7月10日(月)19時30分

 臨時火山情報 第22号
 有珠山では、北西山麓の金比羅山火口群と西山西麓火口群で水蒸気爆発が続いていますが、深部からのマグマの供給はほぼ停止しており、火山活動は徐々に低下していくものと考えられます。
 一連の噴火活動は、深さ約10kmの深部マグマだまりから、深さ4~5kmの浅部マグマだまりに、噴火開始の直前にマグマが上昇してきたことにより始まったものと推定されます。さらに、この浅部マグマだまりから一旦上昇したマグマは、北西に向けて移動し、地盤の隆起と2つの火口群からの噴火を起こしてきました。
 地盤の隆起は現在も西山西麓で続いていますが、一定の割合で鈍化しています。中心部の隆起速度は1日5cm程度になり、隆起域も狭くなりつつあります。5月中頃以降、山体の大部分では、変動方向が反転して沈降傾向になっています。この事実は、北西山麓の下に貫入したマグマの一部がさらに浅部に移動していく過程に対応するものと理解できます。更に広域の変動がほぼ停止していることから見ても、深部マグマだまりからの供給はほぼ途絶えた状態にあると考えられます。
 噴火開始当初の噴煙にはマグマ起源の物質が多量に含まれましたが、その後噴火は水蒸気を主体とする活動に移行し、噴煙の高度、爆発力、熱エネルギーは減少傾向にあります。最近は、西山西麓火口群は間欠的に火山灰を噴出し、爆発力は弱くなっています。また、西山西麓火口の周辺には、熱水・噴気活動域の拡大が認められます。金比羅山火口群は空振・爆発音・噴石を伴って頻繁に爆発していますが、その活動度は最近低下してきました。噴石の落下範囲は、この1ヶ月ほどは、火口から少なくとも300m程度となっています。
 地震活動は主に南西山麓で続いていますが、その規模・回数は徐々に低下しつつあります。
 以上のように、深部からのマグマの供給はほぼ停止しており、一連のマグマの活動は終息に向かっていると考えられます。
 今後、火砕サージを伴うような爆発性の強い噴火はないと考えられます。
 しかし、現在までに上昇してきたマグマが熱を供給し続けていることから、当分の間、現在と同様の爆発が両火口群で継続すると考えられ、火口から500m程度の範囲では、噴石や地熱活動に対する警戒が必要です。
                    (火山噴火予知連絡会統一見解)
 5月22日(月)      気象庁は、3月31日発生した北海道・有珠山の噴火について「平成12年(2000年)有珠山噴火」と命名
 5月22日(月)16時10分  臨時火山情報第21号
 マグマ活動は次第に低下しており、このままの傾向が続けば噴火が終息に向かう可能性がある。しかし、噴火、隆起、地震活動等が継続していることから、マグマと地下水の新たな接触などによって、現在の活動火口周辺に影響が及ぶ規模の爆発が発生する可能性は、当分続くと考える。
(火山噴火予知連絡会統一見解)
 4月20日(木) 9時00分  壮瞥町の避難指示地区の一部解除
 4月15日(土)      有珠山噴火災害対策に関する緊急要望が現地対策本部に提出された。(北海道、北海道議会)
 4月15日(土)16時21分  飛行制限区域が西山の西麓の噴火地点を中心にした半径3km、上空3,000mの区域に緩和された。(有珠山現地対策本部から)
 4月13日(木) 9時00分  前日の火山噴火予知連絡会統一見解の発表を受け、一部地域で避難指示が解除、住民約4,700人が帰宅
 4月12日(水)21時15分  臨時火山情報第20号
 当面は現状と同様の水蒸気爆発~弱いマグマ水蒸気爆発が継続、地下水との関係に変化があれば北西山麓で大きな爆発が発生、火砕サージを伴う可能性あり、このような活動に推移するとすれば事前に噴火等の変化、地殻変動等の総合監視解析により到来の判断が可能、このための監視体制の整備が重要、現状の観測データでは大規模噴火に移行する現象は見られない、また、大規模噴火に移行する前には地震、地殻変動等に変化が観測されると考えられる、以上のことから当面は北西山麓での噴火活動に対する警戒が最も重要、引き続き火山活動の推移を厳重に監視する必要あり(火山噴火予知連絡会統一見解)
 4月 9日(日) 9時30分  前日に引き続き、壮瞥町の避難住民101人が一時帰宅
 4月 8日(土)14時50分  壮瞥町の避難住民66人が10日ぶりに一時帰宅、滞在時間35分間
 4月 7日(金)15時00分  第2回有珠山噴火非常災害対策本部会議開催、地殻活動研究センター長が出席
 4月 5日(水)21時35分  臨時火山情報第19号
 西山の西麓に顕著な地形変動、溶岩ドーム活動に移る可能性が高い、爆発的な噴火が発生するとすれば、この2~3日から2週間以内の可能性が高い(火山噴火予知連絡会有珠山部会見解)
 4月 5日(水)11時00分  第2回建設省有珠山火山噴火災害対策本部会議開催
 4月 3日(月) 午前   西山の西麓の噴火地点を中心にした半径5kmの区域の飛行をしないよう要請がなされた(有珠山現地対策本部から)
 4月 2日(日)11時05分  監視体制強化のため、建設省災害対策用ヘリ「おおぞら号」現地到着、待機
 4月 1日(土) 午前   土木研究所、専門家2名を現地派遣
 3月31日(金)17時00分  第1回建設省有珠山火山噴火災害対策本部会議開催
 3月31日(金)13時15分  建設省有珠山火山噴火災害対策本部(本部長:河川局長)を設置
 3月31日(金)      災害対策基本法に基づく平成12年(2000年)有珠山噴火非常災害対策本部を設置(本部長:国土庁長官)
 3月31日(金)13時 8分  火山噴火予知連絡会緊急幹事会開催
 3月30日(木)13時20分  緊急火山情報第2号
 3月30日(木)13時00分  災害対策関係省庁連絡会議開催
 3月29日(水)11時10分  緊急火山情報第1号
 3月29日(水)10時00分  火山噴火予知連絡会拡大幹事会開催
 3月28日(火)10時30分  火山噴火予知連絡会拡大幹事会開催
 3月28日(火) 2時50分  臨時火山情報第1号