自然直交基底法を用いた一等磁気点の化成

Reduction of Data Observerd at the First-order Geomagnetic Stations with the Natural Orthogonal Components Method

測地部
紀 小麗・白井宏樹・鈴木 啓・何 金蘭・濱崎英夫
Geodetic Department
Xiaoli JI, Hiroki SHIRAI, Akira SUZUKI, Jinlan HE and Hideo HAMAZAKI

要旨

 日本標準磁場モデルは、全国の一等磁気点や二等磁気点などでの繰り返し観測結果を利用して構築してきた。 モデルを構築するには、異なる時間で観測されたデータを化成し、ある基準年に統一する必要がある。 従来、国土地理院は単純差法と二次式近似法によって磁気点の化成を行ってきた。 しかし近年、磁気点での改測回数は低下し、基準年化成値を推定するには、十分な改測回数が得られなくなりつつある。そこで、二次式近似法より正確な化成値を求めるために、本稿は自然直交基底法(NOC法)を用いて、新たな補正方法を提案する。 この方法を用いて、磁気点の2000年化成を行い、従来使用した二次式近似法の結果と比較した。 その結果、磁気点の最終観測年が基準年以後である場合、両方法の推定誤差は同じ程度であるが、最終観測年が基準年前の場合、NOC法の推定誤差が二次式近似法より小さいことがわかった。

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