GPS連続観測により明らかとなった浅間山の火山活動に伴う地殻変動

Crustal Deformation Associated with Asama Volcano Activity Detected by the Continuous Measurements of GPS

地理地殻活動研究センター  村上 亮
Geography and Crustal Dynamics Research Center  Makoto MURAKAMI

要 旨

 GPS連続観測により浅間山の山体が膨張と収縮を繰り返しており,その推移と火山活動の消長の間に関連性があることが明らかとなった.膨張時には噴煙活動や地震活動などの火山活動が活発になり,2002年および2004年の最近の2回の噴火の数ヶ月前から膨張が始まっていたことが確かめられた.地殻変動データの解析から山頂西側の地下のマグマ溜まりへマグマが不定期に注入されている可能性が高い.マグマの上昇力が強い場合には地表に達し噴火に至ると考えられる.同様のメカニズムが繰り返すとすると,浅間山では噴火の前に数ヶ月続く膨張が先行し,これを監視することによって,中長期的な噴火予知が可能となる期待がある.


 

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