5月26日宮城県沖の地震、7月26日宮城県北部地震への対応と地震・測地データのGISの試み

The Correspond For Miyagi Prefecture Two Types Earth Quake And New Trial GIS to Earth Quake and Survey Data

東北地方測量部  阿部 馨・高野 浩
Tohoku Regional Survey Department  Kaoru ABE,Kou TAKANO

要旨

 5月と7月に発生した地震は、宮城県沖地震が発生したと思わせるほどの大きな揺れを感じ、宮城県、岩手県内で危機管理体制等のシステムが混乱した。東北地方測量部(以下、「当部」という。)においても、職員の安否確認や災害情報の収集・地理情報の提供方法等の改善を図る機会となった。一方、7月の宮城県北部の地震の「地震対策用図」がつくば市にある国土地理院本院(以下、「本院」という。)から当部に提供され、翌日には防災関係機関に配布するなど迅速な対応が評価された。また、東北地方整備局から相談を受けて作成した1/25,000「旭山撓曲(とうきょく)図」や、「宮城県北部地震の震源と旭山撓曲図」の作成事例は、国土地理院、地方整備局、仙台管区気象台の三機関が初めて情報を共有した「防災GIS」であろう。

 「宮城県北部地震の震源と旭山撓曲図」の作成方法は、「誰もが扱えるGIS」を基本に、既存ソフト「パワーポイント」のアニメーション機能を使用した「GIS」を試みた。

 パワーポイントに数値地図データを複製し、旭山撓曲や震源データをベクトルデータとして扱い、日々の余震をレイアーとして扱うことができこれをアニメーションで表示した。また、震災後に行った基準点と水準点の再測量で得られた変動量をそれぞれパワーポイントの画面上でグループ化を行い、アニメーション画像として表示させるなど、視覚情報化を行い説明会資料等に利用している。

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