水準測量におけるレフラクション誤差の影響

Influence of Errors by Refraction on Precise Leveling

測地部   大滝三夫
Geodetic Department   Mitsuo OHTAKI

要旨

 水準測量の環閉合差や変動量に与えるレフラクション誤差の影響について,国土地理院が平成12,13年度に実施した富士山南東地域の高精度三次元測量(以下「水準測量」という),及び中部山岳地域の水準測量作業の観測結果をもとに調査・解析した。
 調査・解析では,観測手簿の視準距離,観測比高及び気温を用い,1測点毎にレフラクション誤差を計算し,累計して水準路線毎のレフラクション誤差を求めた。この計算結果を観測比高に補正し,環閉合差や変動量に与える影響を調査すると,環閉合差の許容範囲を超過していた環の多くは,許容範囲内に入り,変動量は大きく変わることがわかった。
 また,国土地理院は,平成14年9月,静岡県御殿場市から三島市に至る水準路線でレフラクション試験観測作業を実施した。これらの調査・解析及び試験観測作業の結果をもとに,水準測量におけるレフラクション誤差の大きさを推定し,今後のレフラクション誤差対策について考察した。

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