時報 vol.91 この間(7月~12月)のできごと

6月27日~7月3日 岩手山火山活動に伴う緊急調査を実施
 岩手山の火山活動の活発化に伴い,今後の山体変化を連続的に監視するため,根本機動観測課長補佐および東北地方測量部山田地殻情報管理官ほか3名を現地へ派遣した。
 

6月27日~7月6日 マダガスカル国首都圏周辺地理情報システムデータベース作成調査の事前調査を実施
 JICAの事前調査団として,マダガスカル国へ矢口測地部長を団長として派遣した。
 調査団は,首都アンタナナリボ市周辺のGIS基盤となる地図データベースの整備を実施するための情報収集と本格調査に関する協議を行った。

 

6月29日~7月11日 第三国研修「測量新技術セミナー」事前調査団を派遣
 ケニア国第三国研修「測量新技術セミナー」のJICA事前調査団として,原地図編集課長補佐を同国へ派遣した。
 調査団は,周辺国ウガンダの研修ニーズを調べるなど事前調査を行った結果,今年から5年間「GPS測量セミナー」コースを同学院で実施することで合意した。

 

7月1日 旧版地図の謄本交付をカラー化
 これまで絶版となり書店などでは購入できない地図(旧版地図)の謄本交付(コピーサービス)を白黒のコピーと写真により行ってきたが,これらに加えてカラーでのコピーサービスを本院で開始した。

 

7月2日~6日 アジア太平洋測地ネットワークのワークショップへ出席
 アジア太平洋測地ネットワークのワークショップが,オーストラリアのキャンベラで開催され,松坂宇宙測地研究室長が出席し,GPS解析結果について報告を行った。

 

7月6日~10日 IGARSS’98へ参加
 1998年国際地球科学及びリモートセンシングシンポジウム(IGARSS’98)が,米国シアトルで開催され,宇宙測地研究室中川研究員が参加し,「『ふよう1号』LXX/4182バンド干渉SARによる地殻変動検出」の発表を行った。

 

7月9日 JICA集団研修「測量技術2)」コース閉講
 平成9年度JICA集団研修「測量技術2)」コースの閉講式が行われた。
 この研修は,平成9年8月25日から約11ヶ月間にわたり実施されたもので,10ヶ国10名が,測量・地図作成の全般について,基礎から最新技術までの技術の修得を目的に行われた。

 

7月13日~24日 バングラデシュ国測量局地図作成機材整備計画基本設計調査団へ参加
 バングラデシュ国測量局から要請のあった地図作成機材に関する無償資金協力について,要請内容の確認,必要性,妥当性などを調査するため,JICAの基本設計調査団の技術参与として,乙井地理第三課長補佐を同国へ派遣した。
 調査団は,同測量局と要請内容に関する協議を行い,M/Dをとりまとめた。

 

7月14日 平成10年度海岸昇降検知センター総会を開催
 平成10年度海岸昇降検知センター第33回総会が,関東地方測量部において開催された。
 総会では,海岸昇降検知センターの平成9年度事業実施報告と平成10年度事業実施計画について提案が行われ審議がなされた。

 

7月14日~18日 岩手山周辺のカラー航空写真を撮影
 岩手山における火山活動の活発化に対応して,地元をはじめ関係各機関における防災対策用資料とするため,岩手山およびその周辺地域約800kmについて,縮尺約3万分1カラー航空写真(11コース,145枚)を撮影した。

 

7月22日 地図展推進協議会を開催
 財日本地図センターにおいて,「地図展’98せんだい」に関しての地図展推進協議会が開催された。
 会議では,開催,展示概要および予算書について検討を行い,10月22日から25日までの4日間,仙台市内のアエルビル5階多目的ホールで開催するなど,原案どおり了承された。

 

7月23日 「岩手山の火山活動に関する緊急研究」の実施決定
 国土地理院を含む4省庁4機関が共同で行う平成10年度科学技術振興調整費による「岩手山の火山活動に関する緊急研究」の実施が決定した。

 

7月24日 平成10年測量士・測量士補国家試験合格者を発表
 平成10年測量士・測量士補国家試験の合格者を発表した。
 合格者は,測量士424名(内女性5名),測量士補4,531名(同337名),合格率は測量士8.60%,測量士補17.87%であった。

 

7月26日~8月8日 ブルキナ・ファソ国南西部地域国土基本図作成調査の事前調査団へ参加
 JICAの事前調査団として永井地理調査部長(団長)ほか1名をアフリカ西部のブルキナ・ファソ国へ派遣した。
 調査の結果,同国インフラ・住宅・都市計画省国土地理院タルナンギダ院長と永井団長との間で本格調査の骨格を決めるS/Wが締結された。

 

8月5日~28日 「江戸切絵図」展を開催
 地図と測量の科学館において,当院所蔵の古地図の中から江戸に関する絵図を選び,企画展示「江戸切絵図展」を開催した。

 

8月6日 JICA集団研修「環境地図」コース閉講
 JICA集団研修・一般特設「環境地図」コースの閉講式が行われた。
 この研修は,6月1日より約2ヶ月間にわたり実施されたもので,7ヶ国7名が,GISやリモートセンシングについて,技術の修得を目的に行われた。

 

8月13日 米国内務省地図局長ウイットマー博士が来院
 米国内務省地質調査所地図局長のウイットマー博士ほか3名が訪問された。目的は,地球地図および地図作成などに関する情報交換で,野々村院長はじめ関係者と意見交換が行われた。
 また,ウイットマー博士による特別講演「国家地図作成機関の将来戦略」が,地図と測量の科学館に関係者を集めて開催された。

 

8月17日 第129回地震予知連絡会を開催
 第129回地震予知連絡会が,関東地方測量部において開催され,全国各地の地震および地殻変動などについて,大学,関係機関より観測・研究成果が報告され議論がなされた。
 トピックスとして,上高地付近の群発地震が取り上げられた。

 

8月17日~21日 上高地群発地震に伴う緊急調査を実施
 8月7日に発生して以来,上高地周辺での群発地震の緊急調査のため,機動観測課平井係長ほか2名を現地へ派遣した。

 

8月20日 建設省平成11年度重点施策に国土地理院施策が4項目
 建設省の平成11年度重点施策が公表された。従来の「国土建設」から総合的な「国土マネジメント(整備・利用・保全)」への転換という基本方針に沿って,「I.総合的な国土マネジメントの推進」「II.国土マネジメントの効率的・効果的推進のための条件整備」「III.政策の進め方の改革」の3章で構成されている。
 建設省重点施策に盛り込まれた国土地理院の施策は,4項目である。

 

8月21日 人工衛星からみた長江の水域の拡大を捉える
 人工衛星NOAAのデータを解析し,中国の武漢(ウーハン)周辺などにおいて洪水被害を引き起こしている長江(チャンチャン)の水域が徐々に拡大してゆく様子を捉えた。

 

8月24日 JICA集団研修「測量技術II」コース開講
 平成10年度JICA集団研修「測量技術II」の開講式が,JICA筑波国際センター次長ほか関係者を来賓に迎え行われた。
 この研修は,平成11年7月1日までの約10ヶ月間にわたり実施されるもので,10ヶ国10名が,測量・地図作成工程の全般について基礎から最新技術までの知識,技術を修得することを目的に実施される。

 

8月25日 UJNR地震調査専門部会平成10年度第2回国内部会開催
 UJNR地震調査専門部会国内部会が,国土地理院において開催され,6月の同会議で決定された第2回地震調査専門部会合同部会の開催における具体的内容について審議がなされた。

 

8月28日~29日 1998年8月集中豪雨災害の緊急調査を実施
 8月末の集中豪雨により大きな被害を受けた栃木県余笹川地域とXX/C6E1珂川下流水戸周辺地域の緊急調査を実施した。調査結果は,茨城県をはじめ被災した地方公共団体などの災害対策本部に災害復旧のための基礎資料として提供した。
 また,9月7日から12日まで地形・地盤と災害の関係を明らかにするため,水害の痕跡調査や資料調査などの細部調査を実施した。

 

8月31日 総額120億円の平成11年度予算概算要求書を提出
 建設省は,平成11年度予算の概算要求を大蔵省に提出した。
 このうち国土地理院の要求額は,特別枠を含め約120億円(対前年度比1.15)。「情報通信・科学技術・環境等21世紀発展基盤整備特別枠」で,国土情報インフラの整備として,地理情報システム(GIS)基盤情報整備に約14億円を要望し,21世紀のGIS社会の実現を目指す。

 

9月 「ディジタル画像処理技術の高度化に関する研究」の共同研究者を決定
 平成10年度から平成11年度にかけて,建設省共同研究制度に基づき実施する「ディジタル画像処理技術の高度化に関する研究」の共同研究者として民間企業3社を決定した。

 

9月1日 平成9年全国都道府県市区町村別面積調を公表
 平成9年10月1日現在の我が国の市区町村面積調査がまとまり公表した。
 今回の「面積調」によると,全国326ヶ所での埋立の結果,国土の面積が前年より9.69km増加し,377,846.58kmとなった。また,これまで一部未定境界となっていた北海道十勝支庁新得町,山口県萩市・阿武郡川上村について境界が決定したため,面積が新たに確定した。

 

9月3日~30日 企画展示「測量機器~明治から平成まで~展」を開催
 地図と測量の科学館において,企画展示「大地を測って一世紀測量機器~明治から平成まで~展」を開催した。
 この企画は,明治から現在までの測量機器の数々と明治時代の測量記録などの資料を展示し,これら資料の蓄積が地殻変動などの研究および地図作成に利用されていることの理解を深めて頂くことを目的に行われた。

 

9月4日 岩手県内陸北部の地震に伴う地殻変動を検出
 岩手山周辺で岩手山の火山活動を調査するためのGPS, APSの観測により9月3日の岩手県内陸北部の地震(M6.1)に伴うとみられる地殻変動を検出した。

 

9月8日~10日 岩手県内陸北部の地震に伴う現地調査を実施
 9月3日に発生した岩手県内陸北部の地震(M6.1)に伴い出現した地表地震断層について,雫石地域の現地調査を実施した。

 

9月12日 2万5千分1「都市圏活断層図」8面を刊行
 日本の二大構造線である糸魚川静岡構造線と中央構造線沿いの2万5千分1「都市圏活断層図」を刊行した。
 今回刊行したのは,糸魚川静岡構造線南部の「茅野」「韮崎」「甲府」の3面,四国西部の中央構造線沿いの「新居浜」「西条」「松山」「郡中」の4面,石川県の「金沢」の計8面である。

 

9月13日~26日 エル・サルヴァドル国基本図作成予備調査を実施
 エル・サルヴァドル国政府から要請のあった2万5千分1地形図等作成の予備調査のため,岡崎地形課長ほか1名を同国に派遣した。
 予備調査では,要請内容の確認と必要性などについて総合的に調査するとともに,地形図未整備地域における数値地形図整備と既存地形図数値化のための作業方法および数値地形図の更新と運用に関する技術移転などについて協議を行った。

 

9月20日~10月1日 中国西部地域環境・災害リモートセンシング技術向上計画事前調査へ派遣
 JICAの事前調査団の一員として福島地理第三課長を中国へ派遣した。
 調査団は中国科学技術委員会および新疆ウイグル自治区人民政府と協議した。
 調査の結果,新疆ウイグル自治区の技術者と日本の技術者とが共同で現地踏査を行いつつ,約10万kmについて協力期間3年から4年で人工衛星を用いて主題図などを作成することで合意した。

 

9月24日~25日 ISO/TC211第7回総会へ出席
 GISの国際標準化を検討しているISO/TC211の第7回総会が,北京市で開かれ,日本から稲葉研究企画官ほか7名が参加した。

 

10月 北海道,東海でもRTKXX/4182GPS測位の公開実験を開始
 国土地理院および郵政省電気通信局は,RTKXX/4182GPS実験推進協議会と共同で電子基準点を利用したRTKXX/4182GPS測位に関する公開実験を北海道,東海地域で開始した。
 公開実験に際し,北海道地域は10月15日,東海地域は10月19日に説明会を行い,GIS,ナビゲーションなどの分野も含め約200名の参加があった。

 

10月1日 ニューモデルの2万5千分1地形図「仙台」を刊行
 従来の地形図のスタイルを一新した2万5千分1地形図「仙台」を,「地図展’98せんだい」(10月22日から25日開催)にさきがけて刊行した。

 

10月3日 岩手山山頂部にGPS連続観測装置を設置
 平成10年度科学技術振興調整費による「岩手山の火山活動に関する緊急研究」の一環として,GPS連続観測装置を岩手山山頂部に建設省所有のヘリコプター「あおぞら」を用いて設置した。

 

10月5日 国際古地図学会第17回国際シンポジウム見学会開かれる
 国際古地図研究協会主催の第17回国際シンポジウムが,10月3日から6日まで東京で開催された。期間中の10月5日には,世界各国のシンポジウム参加者約100名が国土地理院を訪れた。

 

10月5日 GPS固定点データの提供を開始
 平成8年度より市街地地域における地積調査の促進などを図るためGPS固定点(GPS連続観測点の呼称)を設置してきたが,このデータをインターネットにより一般公開した。

 

10月5日~9日 IGGOS国際シンポジウムに参加
 国際測地学協会(IAG)第2セクション「先端的宇宙技術」主催による「統合的全地球測地観測システム(IGGOS)の構築に向けて」と題する国際シンポジウムが,ドイツのミュンヘンにおいて開催され,松坂宇宙測地研究室長ほか2名が参加した。

 

10月5日~11月28日 企画展「近代地図の黎明から完成まで」を開催
 10月上旬に日本で開催された国際古地図研究協会の第17回国際シンポジウムにあわせ,地図と測量の科学館において,企画展「近代地図の黎明から完成まで」を開催した。

 

10月6日 GIS標準化のための委員会を開催
 平成10年度第1回空間データ標準化委員会を開催し,「空間データ交換標準最終原案」および「『空間データ製品仕様書』作成マニュアル(案)」について討議した。

 

10月10日~11日 つくば科学フェスティバル’98へ出展
 つくば科学フェスティバル’98がつくばカピオにおいて開催された。
 国土地理院は,「測量と地図の世界をのぞいてみよう」をテーマに,日本の東西南北の最端の島を余色立体図や航空写真などによる紹介,会場付近で最新の測量機器を用いてリアルタイムで位置座標を求める測量体験など,多くの人に測量や地図について楽しく遊びながら理解を深めていただくための出展を行った。

 

10月11日~11月14日 GPS水蒸気情報システムの構築とIGSワークショップへ参加
 科学技術振興調整費による「GPS気象学」の研究のため畑中宇宙測地研究室主任研究員を,米国コロラド州ボールダーにある気象研究大学連合のGPS科学技術研究所に派遣した。
 同研究員は,GPSデータから準リアルタイムで水蒸気情報を解析するシステムを共同で構築するとともに,メリーランド州アナポリスで開催されたIGS(International GPS Service for Geodynamics)ワークショップにも参加した。

 

10月21日 岩手山災害対策GIS用データを整備
 岩手山についての災害対策に関する地理的情報を統合したGIS用のデータを整備した。これは,GISの基盤となる地理情報を数値化するとともに,主題情報となる災害対策情報も数値化して岩手山災害対策用GIS構築を目的としたものである。

 

10月22日~25日 「地図展’98せんだい」を開催
 「地図展’98せんだい」が,仙台市のAER(アエル)仙台市情報産業プラザ“ネットU”多目的ホールにおいて開催された。
 また,同会場において,第30回仙台市中学校生徒地図作品展が併せて開催され,土地利用図,高度分布図および地図模型の3部門で452点の優れた入選作品が展示された。期間中は,天候にも恵まれ,8,060名の入場者があり,盛況のうちに終了した。

 

10月23日 人工衛星からみた長江・松花江流域の水域変化を捉える
 8月21日の発表の続報として,長江流域および松花江(ソンホワチヤン)流域のその後の状況変化に加え,新たに水域面積を計測し,昨年からの経過と比較した。

 

10月30日 細密数値情報首都圏データを提供
 「細密数値情報(10mメッシュ土地利用)」首都圏データの第1時期分(1974年)から第5時期分(1994年)のCDXX/4182ROMによる試験提供を始めた。

 

10月下旬~12月中旬 地方公共団体向けGIS普及セミナーを開催
 全国9カ所の主要地方都市においてGISに関する講演を中心とした「GIS普及セミナー」を開催した。
 近年,GISに対する関心が地方公共団体などにおいても急速に高まりつつあるが,地方におけるGISの専門家の数は限られているため企画された。

 

11月上旬~3月上旬 全国で「測地成果2000」の説明会を開催
 地方公共団体および測量作業機関などを対象とした測地成果2000の説明会を,全都道府県の120ヶ所で開催した。

 

11月1日~6日 ステファン・カクビ博士を招へい
 科学技術振興調整費国際共同研究総合推進制度に基づき,オーストラリア国アデレード大学国立重点GIS社会応用センターのステファン・カクビ博士を招へいした。
 同博士は,3次元地理情報システムなどについて国土地理院研究者と打ち合わせを行い交流を深めた。

 

11月2日 国土地理院研究評価委員会を開催
 本院において平成10年度国土地理院研究評価委員会が,外部評価委員9名全員出席のもと開催され,評価課題全てが了承された。

 

11月4日~5日 第2回UJNR地震調査専門部会合同部会を開催
 UJNRの地震調査専門部会第2回合同部会(11回目)が,神戸市において開催された。
 部会には日本側から,野々村院長をはじめ,国土地理院,防災科学技術研究所などの関係者が参加した。米国側からは,米国地質調査所ジェームス・ディートリック博士をはじめ地震研究者9名とオブザーバーとしてアメリカ大使館の関係者が参加した。
 最終日には,両国の協力がもたらした利益の確認と今後の継続,地震被害軽減パートナーシップの協力への積極的取組などを盛り込んだ決議を採択した。
 なお,この部会に先立ち11月3日には,初めての取り組みである一般公開の「日米地震フォーラム1998 in 神戸」を開催し,約130名の一般聴衆が参加した。

 

11月5日 国際VLBI事業(IVS)への参加決定
 国土地理院に国際測地学協会VLBI小委員会のキャンベル教授から国際VLBI事業(IVS)への参加決定の通知(平成10年10月27日付)が届き,参加が決定した。
 IVSは,国際測地学協会(IAG)の測地学地球物理学国際宇宙技術調整委員会(CSTG)の下に位置付けられ,今後は,初代評議員の選挙を経て平成11年3月に発足する予定である。

 

11月6日・13日 アジア・太平洋地域でVLBI共同観測を実施
 アジア太平洋地域のVLBI観測局6局が共同で24時間同時観測を実施した。
 今回のVLBI共同観測は,APRGP 98(1998 Asia Pacific
 Regional Geodetic Project)プロジェクトの一環として行われた。

 

11月11日~26日 標高基準の国際結合などの研究でドイツへ派遣
 科学技術振興調整費「地殻上下変動分離と海面変動検出のための標高基準の国際結合」の研究のため,黒石宇宙測地研究室主任研究員をドイツへ派遣した。ポツダム地球科学研究所,シュトゥツガルト大学,ハノーバー大学およびドイツ連邦地図測地庁(フランクフルト)において関連する課題について研究を進め,本研究テーマについての協力関係を強めた。

 

11月13日 地図と測量の科学館の入館者が7万人を突破
 地図と測量の科学館は,平成8年6月1日に開館して以来多くの見学者が訪れ,11月13日に7万人を超えた。科学館は,日本で最初の地図と測量に関する展示施設としてオープンし,それから2年半での達成は開館時の予想を上回っている。

 

11月14日 南極地域観測隊出発
 第40次南極地域観測隊が,南極観測船「しらせ」で晴海ふ頭から昭和基地を目指して出発した。この観測隊には,測地第二課の福崎順洋技官が越冬隊員として,測地第一課の安藤久技官が夏隊員として参加している。

 

11月14日~19日 CRCM’98へ参加
 エジプトのカイロで開催された「最近の地殻変動に関する第9回国際シンポジウム」(CRCM’98)に,村上地殻変動研究室長が参加した。
 会議では,各国研究者から,最近の地殻変動研究の最前線の成果報告が行われた。中でも国土地理院のGPS連続観測結果を利用した発表は,参加者の大きな関心を集めた。

 

11月16日~19日 アジア太平洋GIS基盤常置委員会理事会・全地球空間データ基盤会議へ出席
 オーストラリアのキャンベラにおいてアジア太平洋GIS基盤常置委員会(PCGIAP)理事会と全地球空間データ基盤(GSDI)会議が開催され,永井地理調査部長ほか2名が出席した。

 

11月20日 第5回地球地図国際運営委員会をオーストラリアで開催
 GSDI会議終了翌日の11月20日,第5回地球地図国際運営委員会が開催され,永井地理調査部長ほか2名が出席した。今回,南極および欧州の地理情報に関する国際機関を代表して,新たに2名が委員に加わり,委員13名,顧問2名を含めた30名が参加した。

 

11月22日~27日 海面上昇の影響の総合評価に関する研究でタイへ派遣
 「海面上昇の影響の総合評価に関する研究」の現地調査のため,川口地理第二課長ほか1名をタイへ派遣した。この研究は,環境庁地球環境研究総合推進費により,タイをモデル地域とし海面上昇の影響を評価するためのガイドラインを作成することを目的に,地質調査所,港湾技術研究所と共同で平成9年度から3年計画で実施しているものである。

 

11月23日~12月10日 ケニア測量地図学院第三国研修「測量新技術セミナー」へ参加
 ケニア測量地図学院において,ケニアを含む周辺諸国12ヶ国15名の研修員を迎えて測量新技術(GPS)に関する第三国研修が初めて開催され,指導調査団員として,衛星測地課日下係長が参加した。

 

11月24日 第130回地震予知連絡会を開催
 第130回地震予知連絡会が,関東地方測量部において開催された。全国の地震活動および地殻変動の概況の報告に続いて,大学,関係観測研究機関より観測・研究成果の報告があり,議論がなされた。
 トピックスとして,東海地域におけるプレート間カップリングが取り上げられた。

 

11月25日~26日 建設省技術研究会で発表
 平成10年度(第52回)建設省技術研究会が,品川TOCで開催され,約1,700名が参加した。
 国土地理院からは,自由課題に2課題,ポスターセッションに5課題の発表が行われた。また,指定課題では村上地理情報システム技術調整官を座長として,「GISの標準化に関する調査」について発表と議論が行われた。

 

11月25日~12月7日 エル・サルヴァドル国国土基本図作成事前調査を実施
 エル・サルヴァドル国政府から要請のあった,同国の地形図作成などの技術協力のため,JICAの事前調査団として,長岡測図部長(団長)ほか1名を同国へ派遣した。

 

12月1日 第17回測量技術講演会を開催
 近畿地方測量部は社日本測量協会関西支部との共催で,第17回測量技術講演会を京都テルサで開催した。
 この講演会は,新しい測量技術や測量にかかるプロジェクトなどを近畿地区の測量関係者に広く紹介し,測量技術の向上に資することを目的として,毎年開催しているもので今年で17回目を迎えた。

 

12月3日~1月9日 「-江戸時代の諸国をめぐる-国絵図」展を開催
 地図と測量の科学館において当院所蔵の古地図の中から国絵図を選び,企画展示「-江戸時代の諸国をめぐる-国絵図」展を開催した。

 

12月6日~10日 AGU 1998年秋季大会へ参加
 米国サンフランシスコにおいて開催された,アメリカ地球物理学連合(AGU)1998年秋季大会へ地理地殻活動研究センター鷺谷主任研究員ほか5名が参加した。
 同主任研究員らは,主に測地学,テクトニクスなどのセッションに参加し,GPSとSARから推定した大気中の水蒸気量の比較,GPSやSARに基づく地殻変動解析およびホットスポット系に対する地球自転軸の運動の解析などの発表を行った。

 

12月14日~18日 干渉SARの第一人者マソネ博士を招へい
 科学技術振興調整費による国際共同研究総合推進制度に基づいて,干渉SARの第一人者でフランス国立宇宙センターのディディエ・マソネ博士を招へいした。
 同博士は,「干渉SARの3つのチャレンジ」と題して講演を行ったのをはじめ,関係者と交流を深めるとともに,今後の研究交流についての打ち合わせなどを行った。

 

12月15日 ISO/TC211第11回国内委員会開催
 GISの標準化を検討しているISO/TC211の第11回国内委員会が,財日本測量調査技術協会において,伊理正夫委員長はじめ18名の関係者の参加を得て開催された。

 

12月15日~20日 生物多様性評価のためのGISの応用に関する研究で中国へ派遣
 「生物多様性評価のためのGISの応用に関する研究」(環境庁地球環境研究総合推進費で実施)のため,政春地理情報解析研究室長ほか1名を中国へ派遣した。

 

12月25日 平成11年度政府予算案決まる
 平成11年度政府予算案が閣議決定された。このうち,国土地理院の予算は,総額11,154百万円,平成10年度当初予算に対し6.8%の増となった。
 また,重点事項として要求していた「GISの推進」「国土と地球の監視体制の強化」「地球地図データ提供の推進」のための新規要求については,すべての事業の着手が認められた。

 

12月25日 平成11年度組織改正案で地理情報システム推進室が認められる
 平成11年度組織改正案の内示において,国土地理院企画部への「地理情報システム推進室」の設置が認められた。

 

12月25日 平成11年度「総合技術開発プロジェクト」の新規課題決まる
 建設省の平成11年度総合技術開発プロジェクトのうち,国土地理院関連として「先端技術を活用した国土管理技術の開発」および「災害等に対応した人工衛星利用技術に関する研究」が認められた。

 

12月25日~2月28日 国土地理院ホームページで「お正月スペシャル」を開催
 国土地理院ホームページ上で「お正月スペシャル」を期間限定で開催した。