都市再生のための精密三次元空間データ利用技術の開発

新規研究課題提案書

(課題提案者が記入)
提案課・室名
問合せ先
課・室名:地理地殻活動研究センター 地理情報解析研究室
住  所:茨城県つくば市北郷1番
TEL:0298-64-5944     FAX:0298-64-2655
担当者名:地理情報解析研究室 神谷泉
研究課題名 都市再生のための精密三次元空間データ利用技術の開発
研究制度名 特別研究
研究期間 平成14年4月 ~ 平成17年3月 (3年間)
(1) 課題分類  (1)測量事業・行政施策を支援する研究開発
 (3)防災・環境保全に貢献する研究開発
(2) 研究開発の背景・必要性 近年の地理情報システムの普及は目覚ましく、都市においては、行政及び社会活動のベースとなる次世代のGISとして、詳細な三次元地理情報に基づく都市型GISが想定される。都市型GISにおいては、三次元地理情報の世界の構築とともに、モバイル環境において自己の位置をこの世界で見出すための高精度の測位環境の実現が重要である。
都市型GISの実現には、基盤的な地理情報の整備、アプリケーションソフト及び関連する地理情報の整備、携帯型端末の開発、シームレスな測位方法の確立が必要である。
地盤高は、基盤的な地理情報の最も重要な要素の一つであり、都市型水害対策、高潮・海面上昇対策等においても重要な基礎データである。このような地理情報は、都市型GISの実現のみならず、防災や環境問題の解決に向けても作成・提供が求められている。
都市部の測位に関しては、GPS衛星がビルで掩蔽されることが問題であり、この対策の一つとして、シュードライト(GPSとほぼ同じ信号を発信する地上設置の発信機)の研究、開発が始まっている。
いつでもどこでも測位が可能な環境を含め、都市型GISが実現する可能性はにわかに高まっおり、そのような状況下での社会の状況と測量の姿を予測することは重要である。
(3) 研究開発の目的・目標 都市域及びその周辺を対象として、数値地図2500レベルの地盤高データである精密三次元空間データベースを整備し、一般へ広く提供することにより、都市域の防災・環境問題対策の検討や、これに関する研究に貢献する。
都市域で、いつでもどこでも測位が可能となる技術について現状を把握する。また、このような測位環境を含む都市型GISが整備された場合に、社会、行政及び地理情報作成に与える影響を把握する。
(4) 研究開発の内容 航空レーザースキャナーによる地盤高データの取得技術基準を作成する。これに基づき、効率的に精密三次元空間データベースの整備を行う。
測位技術(シーズ)及び利用分野(ニーズ)の調査を行う。都市部における地理情報取得実験を行う。
(5) 研究開発の方法、実施体制 精密三次元空間データベースの作成部分は地理調査部社会地理課(担当者:福島課長他4名)で実施する。データ取得は、全て外注で実施する。
測位に関する調査部分は地理地殻活動研究センター地理情報解析研究室(担当者:小白井室長、神谷主任研究員)で実施する。
(6) 研究開発の種類 4.観測・調査
(7) 現在までの開発段階 3.その他(実用段階、萌芽的段階)
精密三次元空間データベースの作成部分に関しては、開発要素はあるものの、実用段階にある。測位に関する調査部分に関しては、萌芽的段階にある。
(8) 想定される成果と活用方針 (1) 航空レーザースキャナーによる地盤高データの取得技術基準
 下記の精密三次元空間データベースの作成に使用する。
(2) 精密三次元空間データベース
 国民にデータを提供することにより、洪水、危険斜面等の危険区域抽出や、高潮・海面上昇対策等など、幅広い研究開発分野へ活用されることが 想定される。
(3) 都市部における測位技術及びその応用に関する知見
 都市部における測位基盤の整備及びその技術開発に活用する。
(9) 研究に協力が見込まれる機関名 シュードライトを使用した測位精度に関しては、下記の機関とともに、別途科学技術振興調整費を予算要求中である。
  • 東京大学空間情報科学研究センター
  • 国土交通省国土技術政策総合研究所
  • 独立行政法人通信総合研究所
(10) 関係部局等との調整 必要に応じ、国土交通省河川局及び地方整備局と調整する。
(11) 備考 特になし。

研究の概要 地理情報取得実験 シュードライト