国際的なVLBI観測

宇宙測地課長補佐  高島和宏


VLBIは巨大なパラボラアンテナを使って、地球上での正確な位置を求め、日本列島のプレート運動を監視しているほか、地球の姿勢情報など地球環境自体に関する基本量を提供している。VLBI観測は、高度な技術と長期の国際協働を必要とする国家事業であり、VLBIの国際観測を推進するための組織として、1999年に国際VLBI事業(IVS)が設立された。IVSには主要国の測量・宇宙関連機関が参加しており、国土地理院は設立当初からIVSに参加し、IVSの中核機関として、観測や技術向上に大きく貢献している。近年では、毎週2回の地球自転速度監視などの定常観測に加え、15日間連続の国際VLBI観測や、惑星探査機の位置決定などを行っている。